2017 Fiscal Year Research-status Report
制御性免疫受容体を介した結核菌に対する免疫制御機構の解明
Project/Area Number |
17K15730
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
本園 千尋 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (10642910)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 免疫学 / C型レクチン受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
自然免疫受容体の一つであるC型レクチン受容体(CLR)には活性型と抑制型があり、それらの抗原認識に伴う正負のシグナル伝達のバランスによって、自然免疫ならびに獲得免疫応答は適切に制御されている。これまでに我々は一連の活性型CLRが結核菌および損傷自己由来の糖脂質受容体として機能し、それぞれ特徴的な自然免疫及び獲得免疫応答を惹起することを明らかにしてきた。その一方で、生体の恒常性維持に寄与していると考えられている抑制型CLRについてはリガンドを含めその機能は依然として不明な点が多い。本研究では、抑制型CLRに着目し、病原体および損傷自己由来の新規リガンドの同定、ならびに、抑制型CLRがリガンドの認識を介してどのように免疫応答を抑制するのか解明することを目的とした。
抑制型CLRの新規リガンドを同定するための検出ツールとして、まず、抑制型CLRの細胞内ドメインにCD3ζ鎖を結合させたキメラ受容体を発現するレポーター細胞を作製した。それらのレポーター活性を指標として、結核菌成分および死細胞成分に対する応答性を解析した。その結果、抑制型CLRは死細胞から抽出した脂質成分に対して顕著な応答性を示した。レポーター活性を指標として脂質画分の精製を行い、マススペクトロメトリーならびに核磁気共鳴スペクトルによる脂質リガンドの構造解析を行なった。その結果、抑制型CLRの新規脂質リガンドの構造ならびにその分子種について同定することが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
抑制型CLRの損傷自己由来の脂質リガンドについてその構造を同定した。
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Strategy for Future Research Activity |
生体内において抑制型CLRが自己由来の脂質リガンドの認識を通じて免疫応答の抑制化に関わるか、抑制型CLRを欠損あるいは高発現した遺伝子改変動物を用いて検証を行う予定である。
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Causes of Carryover |
(理由) 当該年度に使用予定であった消耗品は概ね申請書通りであったが、所属機関の異動に伴い使用額に誤差が出た。そのため、次年度購入予定の消耗品購入代として繰り越した。 (使用計画) 次年度予算は申請額ならびに繰越額の合計額となるが、繰越額は消耗品購入に使用予定であり、全体的には大きな変更はなく申請書に記載された計画通りに使用予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Dectin-1 intracellular domain determines species-specific ligand spectrum by modulating receptor sensitivity2017
Author(s)
Takano, T., Motozono, C., Imai, T., Sonoda, KH., Nakanishi, Y., Yamasaki, S
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Journal Title
The Journal of Biological Chemistry
Volume: 292
Pages: 16933-16941
DOI
Peer Reviewed
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