2017 Fiscal Year Research-status Report
IL-22結合タンパクによる皮膚炎症慢性化に対する制御機構の解明
Project/Area Number |
17K15732
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
深谷 知宏 宮崎大学, 医学部, 助教 (20624323)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 自己免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度ではIL-22BP欠損マウスにおける尋常性乾癬の病勢について比較検討した。具体的には野生型(WT)マウス、IL-22BP欠損マウスの耳介にイミキモド(ベセルナクリーム5%; IMQ)を8日間塗布し尋常性乾癬を発症させ、耳介の紅斑、腫脹、脱落乾燥表皮を経日的に測定した。また、IMQ塗布前後に耳介、所属リンパ節を採取し、定量的PCR法にて病態局所のサイトカイン、ケモカインの遺伝子発現を測定した。さらに、IMQ塗布8日目に耳介を採取し、病理組織解析を用いて皮膚炎症及び皮膚病変部でのケラチノサイト増殖を評価した。 その結果、WTマウスと比較して、IL-22BP欠損マウスではIMQの塗布による耳介の紅斑、腫脹、脱落乾燥表皮が著しく増強していた。さらに、IL-22BP欠損マウスでは病態局所のサイトカインやケモカインの遺伝子発現もWTマウスと比較し増強していた。一方、H&E染色によりIL-22BP欠損マウスでは表皮層肥厚や白血球浸潤で示される皮膚炎症がWTマウスと比較して顕著であった。また、PCNA (proliferating cell nuclear antigen)の免疫染色の結果、IL-22BP欠損マウスにおいて皮膚病変部でのケラチノサイト増殖もWTマウスと比較して亢進していた。 以上の結果から、IL-22BP欠損マウスでは尋常性乾癬の病勢が増悪することが考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題申請書の年度計画に従って、研究の進捗が認められた。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度では、以下の解析を行う。 IL-22BP欠損マウスの尋常性乾癬モデルにおける免疫細胞構成解析 IL-22BP欠損マウスの尋常性乾癬モデルにおける免疫細胞生体内増殖解析 可溶型IL-22BP-ヒトIgFcキメラ分子の作製 可溶型IL-22BP-ヒトIgFcキメラ分子の生物活性評価
|
Research Products
(3 results)