2018 Fiscal Year Research-status Report
IL-22結合タンパクによる皮膚炎症慢性化に対する制御機構の解明
Project/Area Number |
17K15732
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
深谷 知宏 宮崎大学, 医学部, 助教 (20624323)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 自己免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度ではIL-22BP欠損マウスの尋常性乾癬モデルにおける免疫細胞構成解析を行った。具体的には、尋常性乾癬発症野生型(WT)マウスおよびIL-22BP欠損マウスの耳介および所属リンパ節を採取し、免疫細胞構成とともにCD4陽性T細胞サブセット(TH17細胞/TH22細胞)、IL-17/IL-22産生γδT細胞の存在比率、細胞数についてフローサイトメトリー法を用いて解析した。その結果、IL-22BP欠損マウスでは皮膚炎症組織への好中球、γδT細胞の浸潤がWTマウスと比較して増加していた。また、WTマウスと比較して、IL-22BP欠損マウスではTH17細胞、TH22細胞、γδT細胞からのIL-17、IL-22の高産生が認められた。 さらに、IL-22BPのマウスへの投与を目的として、可溶型IL-22BP-ヒトIgFcキメラ分子の作製および生物活性評価を行った。はじめに、IL-22BP cDNAをクローンニング後、ヒトIgFcキメラ分子発現ベクターに挿入し、IL-22BP cDNA-ヒトIgFcキメラ分子発現ベクターを作製した。次に、作成したIL-22BP cDNA-ヒトIgFcキメラ分子発現ベクターを293T細胞に遺伝子導入し、得られた培養上清より可溶型IL-22BP-ヒトIgFcキメラ分子を精製した。また、可溶型IL-22BP-ヒトIgFcキメラ分子の生物活性評価はIL-22処置マウス皮膚角化細胞を用いて行った。IL-22シグナルによりマウス皮膚角化細胞は激しい増殖および終末分化異常の誘導を示すが、可溶型IL-22BP-ヒトIgFcキメラ分子の添加によりこれら皮膚角化細胞の過増殖および分化制御不全が著しく抑制された。 以上の結果から、尋常性乾癬の病態においてIL-22BPは皮膚炎症組織での炎症細胞の浸潤および炎症性サイトカイン産生の調節に関与することが考えられた。さらに、IL-22BPはIL-22シグナルの増強を阻害し、皮膚角化細胞の異常分化増殖の抑制を示すことが考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題申請書の年度計画に従って、研究の進捗が認められた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度では、尋常性乾癬に対するIL-22BPの防御効果の評価を行う。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Pivotal Role of IL-22 Binding Protein in the Epithelial Autoregulation of Interleukin-22 Signaling in the Control of Skin Inflammation2018
Author(s)
Tomohiro Fukaya, Takehito Fukui, Tomofumi Uto, Hideaki Takagi, Junta Nasu, Noriaki, Miyanaga, Keiichi Arimura, Takeshi Nakamura, Haruhiko Koseki, Narantsog Choijookhuu, Yoshitaka Hishikawa, Katsuaki Sato
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Journal Title
Frontiers in Immunology
Volume: 9
Pages: 1-13
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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