2017 Fiscal Year Research-status Report
Identification of chitin receptors and signal molecules involved in Th2 type immune response induction
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17K15733
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
飯笹 英一 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (20631998)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 2型免疫応答 / キチン / パターン認識受容体 / 寄生虫 |
Outline of Annual Research Achievements |
キチンは、蠕虫など寄生虫の卵殻や虫体に含まれる多糖であり、寄生虫の排除に重要な2型の免疫応答を誘導する。しかし、2型の免疫応答を誘導するキチンの受容体やシグナル伝達機構は不明な点が多い。そこで、本年度は2型の免疫応答を誘導するキチンの受容体とシグナル分子の候補を以下の2つの方法を用いて探索することを目指した。 まず、1つ目の方法は、データベース等を用いたキチンの受容体候補をマウスゲノムからin silicoの解析により探索するもので、マウスゲノム中から4つの候補遺伝子を同定した。その遺伝子をクローニングし、培養細胞で発現させ、キチンやその他のN-アセチルグルコサミンを有するキトサン、ペプチドグリカンなど近縁の多糖類との結合を調べたところ、その内、3つはキチンやキトサンなどと結合を示し、1つはペプチドグリカンと特異的に結合することを見出した。またマクロファージの細胞株であるRAW264.7で、CRISPR-Cas9法でこれらの遺伝子の欠損株を作成し、キチンやその他の糖に対する免疫応答をWTの細胞株と比較した。 もう1つの方法は、レポーター細胞を用いたキチン受容体およびシグナル分子の網羅的スクリーニングで、単球細胞株であるTHP-1細胞にNF-κB-DsRedを導入したレポーター細胞をキチンで刺激するとDsRedの発現が誘導されることがわかった。そこで続いて、CRISPR-Cas9法で網羅的に遺伝子を欠損させるための条件検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、in silicoの手法だけでなく、遺伝子を網羅的に欠損したレポーター細胞を用いたスクリーニングでも候補遺伝子を同定する予定であったが、遺伝子を網羅的に欠損させるための条件検討までしかできなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
in silicoで同定された候補遺伝子の欠損細胞の免疫応答をさらに詳細に解析し、興味深い表現型が見られた場合は、その遺伝子欠損マウスを作成し、in vivoでの機能解明を行う。レポーター細胞を用いたスクリーニングでも今後候補遺伝子を探索し、興味深い表現型を示すものは、その遺伝子の欠損マウスを作成し、同様にin vivoで解析を行う。
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