2019 Fiscal Year Annual Research Report
Verification of the efficacy of newly setted department General Medicine and comprehensive medical educational system in the rural area Tamana city.
Project/Area Number |
17K15747
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
小山 耕太 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 非常勤講師 (60748127)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 地域医療 / 医学教育 / 医師不足 / 救急医療 / プライマリ・ケア / 総合診療 / 地域偏在 / 熊本県 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは、2009年度及び2014年度に熊本県内の全有床病院に対して病院アンケート調査を実施し、熊本県における地域医療の問題点について報告した。ここで得られたプライマリ・ケアを主に行う医師のニーズの高さに端を発し、2015年4月に公立玉名中央病院(当院)に「地域医療実践教育玉名拠点」及び「総合診療科」(当科)が新設された。本研究では、地域における総合診療科の診療効率及び地域医療実践教育拠点を中心とした総合診療医教育体制の有用性を明らかにし、新規設置地域選定の有効な資料とし、同時に日本の地域の医師不足解消への足掛かりにする事を目的とする。 2017年度から2018年度、当院当科入院患者、玉名郡市医師会所属の開業医及び勤務医、当院職員に対しアンケート調査を実施した。結果、玉名地域における教育拠点による医師育成に対して、多くの方が協力的である事が示された。一方で、地域での医師育成と医師不足解消の直接的な有効性についての理解は十分に浸透していない事も示された。更に2014年12月9日、地方紙に玉名地域における救急医療について、救急搬送不応受率10%であるとの記事が掲載され、地域住民の医療に対する不安も予想された。これについて、当院の救急医療の観点、医師数・新設診療科数の観点、入院・外来患者数の観点で検証した。 まず地域での医師育成は、医師不足解消を目的とせず、教育・診療体制の構築に始まる。その初期に重要な事は、症例(患者)を集める事である。これにより断らない医療の提供は必然であり、結果的に救急搬送有明医療圏最多と、不応需率5%未満を達成した。結果、入院・外来患者数増加と研修医師数・常勤医師数増加及び新設診療科増加につながった。 最後に地域での医師育成は、ゆっくりではあるが確実な地域医療の発展と進化を経て、中長期的に地域の医師不足や医師の都市部集中・偏在の解消に有効であると結論付ける。
|
Research Products
(2 results)