2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study on improvement of empathetic communication skill in medical education
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17K15750
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
中村 祐三 東邦大学, 医学部, 助教 (20725957)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 共感的コミュニケーション能力 / 医学教育 / 臨床実習 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である本年は集まったデータの分析と論文作成,学会発表を行った.まず実習前と実習後に共感的コミュニケーション能力の評価として、The student version of Jefferson Scale of Physician Empathy日本語版(JSE-S)を記載させ,その得点(5件法,20項目)と実習前後の変化量を従属因子として分析を行った. まず5日間の臨床実習において,今までの研究と同様に実習後の共感的なコミュニケーション能力が有意に向上する結果であった.また多くの患者との短時間行う医療面接よりも,一人の患者との数日間に渡る,ある程度長い医療面接の方が有意に共感的コミュニケーション能力を高めた.医療面接を行う患者数では5日(もしくは4日間)の臨床実習では3名の患者との医療面接が有意に向上させた. 一方で実習前の共感的コミュニケーション能力が既に高い学生も存在した.これらの学生は実習前の時点で共感的コミュニケーション能力が高いため,実習前後での共感的なコミュニケーション能力の向上を認めなかった.先行研究で言われている性差については,今回の調査では明らかな有意差を認めなかった. 最終的な結論として,接する患者の数よりも,一人の患者に行う医療面接の時間が共感的コミュニケーション能力の向上に影響を与えると考えられた.また実習前の共感的コミュニケーション能力が低い学生にはこの傾向は顕著となった.一方で実習前の時点で既に共感的なコミュニケーション能力が高い集団では,実習前の学生自身の精神的な要因などが共感的なコミュニケーション能力に既に影響を与えている可能性が推測された.そのため,今後はこの要因に関して検討を行い,共感的なコミュニケーション能力向上の方略を検討していきたい. 現在,上記内容について論文投稿中である.
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Research Products
(5 results)