2018 Fiscal Year Research-status Report
医療・介護現場での職場改善を段階的に支援するツール開発
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17K15754
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Research Institution | The Ohara Memorial Institute for Science of Labour |
Principal Investigator |
佐野 友美 公益財団法人大原記念労働科学研究所, 研究部, 研究員 (70782548)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 職場環境改善 / 医療・介護 |
Outline of Annual Research Achievements |
医療介護現場で働く人の安全・健康向上を目的に、物理化学的環境から作業方法等の改善まで包括的な視点で現場の労使が主体的に取り組む「職場改善活動」が広まっている。 本研究では以下の2点を明らかにすることを研究目的とした。 ① 医療・介護現場を中心に日本の職場で実施されてきた、労使主体の「職場改善活動」の共通点を文献やヒアリング調査から抽出し、現場に根付く職場改善活動の必須要素を明らかにする ②①の成果を基に、医療・介護分野での職場改善の導入や継続を支援するためのツールとして、職場改善活動の導入や継続に課題を抱える現場の労使が活用できるチェックリストを開発する 平成29年度はヒアリング調査と現場訪問により、現場の良好事例を収集すると共に労使主体の「職場環境改善」の共通点を整理し、現場に根付く職場環境改善の必須要素を明らかにした。「活動を補助するシンプルなツールの使用」や「各現場の状況に合わせたフレキシブルな改善方法」等が必須要素として抽出された。また、健康・安全・働きやすさと共に「働きがい」「自身のスキルアップ」に現場の関心が強く置かれていることがわかった。平成30年度は平成29年度の調査と合わせて、医療・介護現場で実際に職場環境改善を進めていくツールを作成し中小規模の医療介護事業場を中心に約60名の参加者に向けてワークショップ形式の現場応用を実施した。現場からは、短い時間の中で包括的に職場のリスクアセスメントを進めることのできるツールの有用性や、実際の現場での事例から簡単に改善のアイデイアを得れること等の評価を得た。一方で、シフト制で全員集まることのできない職場での進め方や導入に関して職員の理解を得ることの難しさ等が課題として挙げられた。令和元年は、現場応用の結果を基にツールを完成させるとともに、導入・継続を行いやすい仕組みの検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度に培ったネットワークを利用してヒアリング先の確保はスムーズに調整をすることができた。「参加型職場環境改善」および産業保健研究家・実務家の協力を得て職場環境改善のツールとしてアクションチェックリストおよび良好事例集を予定通り作成し現場応用まで進められた。
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Strategy for Future Research Activity |
現場応用での意見等をもとに職場環境改善のツールを完成させるとともに、研究成果の公表として、論文等での報告を予定している。
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Causes of Carryover |
文具等、現場応用の際に使用予定の物品が訪問先で用意されていたため。使用計画としては、ツールの印刷費用等を予定している。
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