2017 Fiscal Year Research-status Report
Visualization of whole body dynamics of PD-1 in vivo using radiographic tomography
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17K15763
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Research Institution | National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology |
Principal Investigator |
小此木 範之 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 重粒子線治療研究部, 医師(定常) (00750572)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | PD-1 / 放射断層撮影 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウスのPD-1に結合する抗PD-1抗体に結合させる核種ついて基礎的検討を行った。抗体に使用するポジトロン核種の候補として、当初の候補であった89Zr(半減期78時間)に換え、既に本所で精製法が確立していた64Cu(半減期13時間)とPD-1の結合が可能が検討した。 高精製度64Cuは64Ni(p,n)核反応により製造した。陽イオン交換樹脂を用いる事で精製精度の向上と精製時間の短縮が可能となった。次に64Cuと抗PD-1抗体の結合について検討した。抗PD-1抗体はFab部で結合させ安定性の評価を行い、リン酸緩衝溶液中およびマウス血清中で、48時間での結合安定性を確認している。試薬中の64Cu-PD1の含有率は、リン酸緩衝液中:87%に対し、マウス血清中:85%であり、マウス投与に際して十分な安定性を得られたものと考える。更に、64Cu結合後の抗PD-1抗体が生物活性を保持していることをcell binding assayで確認した。 現在、64Cuを用いた標識薬について、in vivoでの予備実験について着手している。PETによる放射断層撮影法で評価可能な画像が取得できる1回投与量を検討中である。64Cuのγ線のエネルギーは1.35 MeVでγ線放出割合は1%であり、PETでの撮影に際して最適な投与量の決定、および安全性の確認が次のステップとなる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
64Cuを用いたPD-1の標識のin vivoでの評価の目途がついており、おおむね順調に進展いている。
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Strategy for Future Research Activity |
PD-1標識抗体のマウスに対する安全性・有効性を評価する。まずはPETによる放射断層撮影法で評価可能な画像が取得できる1回投与量を確認する。マウス種間における薬剤耐用性に差がないかも確認する予定である。画像評価が可能であると確認できた後、薬剤投与後のマウスについて、4週間までを目途に毎日観察し、安全性を確認する。上記の検討の後、正常マウスと腫瘍を移植したマウスにおけるPD-1の分布の違いを評価する。 時間的資金的猶予がある場合、さらに腫瘍を移植したマウスにおいて、抗PD-1抗体を投与した場合のマウス生体内PD-1分布の継時的変化を観察し、腫瘍の反応と体内のPD-1動態の変化について関連を評価する。
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Causes of Carryover |
当初、抗体に使用するポジトロン核種の候補として、64Cu、89Zrの使用可能性を考え研究を進めた結果、64Cuについてはin vivoでの使用に目途がついた。89Zrを用いた標識薬の安定性を評価するよりも、64Cuでのin vivoでの安全性を優先して評価する方針としたため、89Zrを用いた標識薬の評価にかかると想定していた費用分の差額が生じた。
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