2017 Fiscal Year Research-status Report
Deciphering Novel Disease Mechanism in Familial Hypertrophic Cardiomyopathy
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17K15772
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
野村 章洋 金沢大学, 附属病院, 特任助教 (30707542)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 肥大型心筋症 / 次世代シークエンサー / トランスクリプトーム |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、これまで原因変異が同定されていなかった肥大型心筋症患者に対して同意を取得し、1) 血液由来のDNAおよび心筋生検による心筋生検検体を得ること、および 2) 微量心筋生検検体からRNAを抽出しトランスクリプトーム解析を行う一連の系を確立すること、を目標とした。 1) に関しては、原因変異が同定されていない肥大型心筋症患者5例に対して、血液由来のDNAおよび心筋生検検体を得た。DNAおよび心筋生検検体は当研究室における心筋症レポジトリにて厳重に管理している。なお、心筋生検検体は取得直後にRNAlaterを入れた容器を用いて冷凍保存している。 2) に関しては、上記にて得られた微量のヒト心筋生検検体を用い、一細胞RNAシークエンスの技術を応用し、クオリティの高いRNAを抽出し、かつRNAシークエンスまで行う一連の系を確立することに成功した。ライブラリーの作成にはOvation SoLoを用い、1mm四方のヒト微量心筋生検検体であっても、後の解析に十分量のRNAを抽出・増幅が可能であった。そのうち、今年度は2例において抽出したRNAを用いてRNAシークエンスを行った。この際、当施設のMiSeqを用いて施行したが、標的とする心筋関連領域のRNA発現量が解析可能であることを確認した。今後解析検体数が増えることが予想されるため、より出力の大きいHiSeq等の機器を用いる、かつ外注することで1検体当たりのシークエンス費用を抑えることを考慮する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度1年間において、いまだ原因変異が同定されていない肥大型心筋症5例において同意が取得され、DNAおよび心筋生検検体を得ることができている。これは、1年間で取得予定としていた生検検体数と同等である。また、微量のヒト心筋生検検体からRNAを抽出し、RNAシークエンスを行う一連の系を確立した。よって進捗はおおむね順調であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、引き続き原因変異の特定されていない肥大型心筋症患者に対して同意を取得し、DNAおよび心筋生検検体の例数を増やす。また現在得られている検体を対象に、肥大型心筋症の候補遺伝子を対象としたターゲットリシークエンス、およびヒト心筋生検検体由来のRNAを用いたRNAシークエンスを行う。これらのシークエンスを組み合わせることで、肥大型心筋症における原因遺伝子変異の同定を目指す。また、これまで変異の病原性の判断が困難であったイントロン領域の変異に関して、スプライス変異を引き起こしうるものを、DNAとRNAの両シークエンス結果を統合したオミックス解析により明らかにする。
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Causes of Carryover |
1年目の残高では試薬・パネルの購入ができなかったため、2年目の助成金とあわせての購入を予定したため。
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