2018 Fiscal Year Annual Research Report
Deciphering Novel Disease Mechanism in Familial Hypertrophic Cardiomyopathy
Project/Area Number |
17K15772
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
野村 章洋 金沢大学, 附属病院, 特任助教 (30707542)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 肥大型心筋症 / 次世代シークエンサー / トランスクリプトームシークエンス / ゲノムシークエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
肥大型心筋症は単一遺伝形式をとる遺伝性心疾患の代表であり、その頻度は一般人口の約0.2%とされる。これまで、従来のPCR法ではその原因遺伝子変異陽性率は50%に留まり、残りの50%は原因遺伝子変異が不明であった。本研究では、これまで原因遺伝子変異が不明であった肥大型心筋症患者に対し、血液(白血球)から抽出したDNAシークエンスの結果に加え、心筋生検から取得した心筋試料を用いたRNAシークエンスを併用することで、新たな肥大型心筋症の遺伝子変異およびスプライス変異・異常を呈する肥大型心筋症の疾患発症機序を解明することを目的とした。 まず、本研究において1mm2大の微小心筋生検検体より、一細胞シークエンスの技術を応用し、NuGen Ovation SoLo RNA-Seq Systemを用いて十分量のmRNAを得てシークエンス用ライブラリを作成する方法を樹立した。この方法をもとに、これまで原因遺伝子変異が不明であった肥大型心筋症患者8名より心筋生検を施行し、その微量心筋生検検体からmRNAを抽出し、RNAシークエンスを行うことに成功した。次に、RNAシークエンスの発現データを解析し、主に肥大型心筋症の発症に関係することが知られている21遺伝子についてスプライス変異・異常の有無を検討した。しかし、今回検討を行った肥大型心筋症8名においては、同遺伝子群において明らかなスプライス変異・異常を示す所見はみられなかった。今後、解析対象を増やしてスプライス変異・異常を発症機序とする肥大型心筋症の同定を続けるとともに、既知の原因遺伝子以外の遺伝領域におけるスプライス異常と肥大型心筋症発症との関連についても検討を続けていきたい。
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