2018 Fiscal Year Annual Research Report
Search for autoantibodies specific to nonobese patients with type 2 diabetes with chronic inflammation and elucidation of their pathological significances
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17K15780
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
福田 拓也 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 専攻医 (70782077)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 自己抗体 / 糖尿病 / サルコペニア / 血小板減少症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、遺伝子多型とは異なる機序により各種病態を惹起する可能性のある未知の自己抗体が2型糖尿病患者において産生されていると想定し、そのような新規自己抗体を探索し、臨床像との関連を調査することを目的として行った。 生活習慣病関連肝疾患のコホート調査の参加者のうち、腹部エコーにて脂肪肝が認められたBMI 25 kg/m2未満の非肥満2型糖尿病女性患者11名を、特異な代謝異常を示す集団として解析対象とした。対象者の血清をプロテインアレイにて解析し、抗原の生物学的機能が明らかな自己抗体を選定し、2型糖尿病女性患者55名を加えた66名を対象としてELISA法により自己抗体の陽性を判定し、臨床像との関連を統計学的に解析した。肝弾性率は超音波エラストグラフィにて評価した。 プロテインアレイにより新規の自己抗体が25種同定された。健常人においても認められる11種の自己抗体を除外した15種の中から、病態と関連する可能性が想起された抗PAX3抗体および抗トロンボポエチン(THPO)抗体を選定し、ELISA法を行った。抗PAX3抗体は66名中9名(13.6%)に認められることが示された。次にその66名の2型糖尿病患者について、約1年間の経過観察を行い、体重に占める四肢骨格筋の割合を測定した。体重に占める四肢骨格筋の割合の測定に際しては、生体電気インピーダンス分析により骨格筋量を測定することにより行った。陽性群は陰性群と比較し、約1年間の観察期間において四肢骨格筋/体重の変化率の減少が乏しかった(p=0.044)。抗THPO抗体は、初回受診時に超音波エラストグラフィにて肝弾性率が7kPa未満であった61名中11名(18.0%)に認められた。陽性群の平均血小板数は陰性群より有意に低値であった(p=0.02)。これらの自己抗体の出現機序と病態の分子生物学的機序解明にはさらなる検討を要する。
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Research Products
(3 results)