2018 Fiscal Year Research-status Report
世界初となるIgA腎症における腸内細菌叢の解析を基に『腸腎関連』の解明にせまる
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17K15784
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
井下 博之 順天堂大学, 医学部, 非常勤助教 (80646117)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | IgA腎症 / 腸内細菌叢 / 糖鎖異常 |
Outline of Annual Research Achievements |
IgA 腎症(IgAN)は、その約4 割が末期腎不全に至る予後不良の疾患であるが、未だその病因は解明されていない。これまでに多数の報告で、粘膜免疫異常の関与 が強く示唆されているが、粘膜免疫に中心的な役割を果たす腸内細菌叢の、IgAN における解析がほとんどなされていない。今回我々は、世界初となる、ヒト IgAN 患者を対象とした腸内細菌の16S rRNA 遺伝子を網羅的に解析することにより腸内細菌叢の構成を明らかにしたうえで、T 細胞制御異常との関連解明に挑 む。この解析は、IgAN の『腸腎関連』からの病因解明に重要であるばかりではなく、腸内細菌叢をターゲットとしたワクチン療法など将来的なIgAN の根治治療 への発展が期待できる。本年度はサンプル収集および検体の解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
倫理委員会の申請準備および研究に対する許可を得るためにやや時間を要した。また、研究費削減のため、サンプルをある程度集めてから解析に出すことにして いるため、解析結果の報告がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
対象の治療前、治療後の糞便を回収する。その後、腸内細菌の 16S rRNA 遺伝子を網羅的に解析することにより、腸内細菌叢の構成を明らかにする。16S rRNA 遺伝子解析および腸内細菌叢の構成についてはタカラバイオ株式 会社へ外注する。得られた配列を用いて16S rRNAデータベースに対する相同性検索および系統分類解析を実施し、相同性検索と系統分類解析結果の一覧、系統分 類解析結果に基づき菌種組成を集計したグラフを作成する。
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Causes of Carryover |
サンプル数をある程度集めてから解析したほうが安くすむため、サンプル数がまだあまり集まっていない現時点ではまだ解析は行っていない。このため、次年度 使用額が生じているが、解析を速やかに行う予定である。
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