2017 Fiscal Year Research-status Report
神経障害性疼痛により減弱した内因性鎮痛経路回復機構の解明
Project/Area Number |
17K15787
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
松岡 宏晃 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (10637119)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 内因性鎮痛 / trkB agonist |
Outline of Annual Research Achievements |
ラット神経障害性モデルでは神経障害からの時間経過により内因性鎮痛に変化が生じる。即ち、神経障害性モデル作成から4週から5週にかけて内因性鎮痛の評価であるNSIAは大きく減弱する。さらに、神経障害性モデル作成から5週の時点より、神経障害性疼痛に頻繁に使用される三環系抗うつ薬を5日間連続で腹腔内投与し、モデル作成から6週経過した時点で再びNSIAを評価したところ、生理食塩水群では低下したままのNSIAがアミトリプチリ ン群では回復する。アミトリプチリンがどのような機序で内因性鎮痛を回復させたかを検討し、内因性鎮痛の強化法を確立することを目的とする。現段階での推察として、青斑核におけるアドレナリン受容体、特にα2A受容体のdownregulation、さらにグルタミン酸受容体であるAMPA受容体の活性化の関与を考えている。 平成29年度は、SNL術後ラットの青斑核にα2A受容体拮抗薬またはBDNFを投与した後NSIAの評価を行う、という実施計画をたてたが、BDNFの研究のみの進捗となった。 また、BDNFが作用する受容体(trkB)のアゴニストである7,8-DHF(Dihydroxyflavone)での研究となったが、7,8-DHFの投与により、内因性鎮痛が回復することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度にはα2A受容体拮抗薬およびBDNFによる研究を行う計画であったが、BDNFの研究のみの進捗となった。また、BDNFは高価で入手が困難なため、同様の作用機序を持つと考えられる7,8-DHFでの研究とした。BDNFでも同様の結果となると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度はα2A受容体拮抗薬での研究を進めていく予定である。また、当初平成30年度に計画していた研究も併せて行っていく。
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Causes of Carryover |
当初の計画より研究の進捗が進まなかったためと、より安価な薬剤を使用したために当該助成金が生じた。 平成30年度は当該助成金を含めた研究計画に変更して進めていく。
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