2017 Fiscal Year Research-status Report
A effect of withaferin A on extra-territorial facial pathological pain following a trigeminal nerve injury
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17K15790
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
堀江 佳代 広島大学, 病院(歯), 歯科診療医 (50784253)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | NFκB p65 / Withaferin A / 異所性疼痛 / 三叉神経脊髄路核 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究課題】慢性疼痛に対するwithaferin Aの鎮痛効果とそのメカニズム解明. ①慢性疼痛発症モデルラットの作成し、すべてのラットに対し、慢性疼痛が発症しているかどうか確認するため、von Fray filamentを用いて機械的逃避行動試験を行った。 ②疼痛発症確認後のモデルラットを用い、withaferin Aの鎮痛効果の検討を行った。濃度については既出論文を参考にし、10倍濃い濃度および、10倍、100倍、100倍の希釈濃度によって至適濃度の検討を行った。さらに、タイムポイントの決定も行った。鎮痛効果が認められる最小濃度を決定し、その10倍濃い濃度を比較対象として検討した。naive検討として、tube opeを施した後、withaferin Aを投与したが、特に投与前後で行動試験に変化は認めなかった。コントロール薬剤として、withaferin Aを溶解させた生理食塩水で検討を行った。以上の4群のラットを各々7匹用意し、すべてにおいて、タイムスケジュールを組み、異所性疼痛発症時確認後1日後から投与を開始し、各タイムポイントで機械的逃避行動試験を行った。以上の結果から慢性疼痛への鎮痛効果が認められる結果が得られた。 ③naiveおよび異所性疼痛発症確認後1日経過したラットに各生理食塩水、withaferin A至適濃度、withaferin A至適濃度より10倍希釈濃度の薬液を投与し、その後、②の結果より最も鎮痛効果が現れた時点で脳サンプルを採取した。その脳サンプルの領域を規格化して、ホモゲナイズし、タンパク定量を行った。すべてにおいてNFκBのリン酸化とtotal NFκBのタンパク量をweastern blotを用いて検討した。すると、withaferin Aの投与群に対して、NFκBのリン酸化がnaiveまで抑制されていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
【異所性疼痛モデルラット作成】オトガイ神経切断後、翌日より上顎に疼痛過敏を発症する成功率は70%以上になっている。機械的逃避行動試験を確認し、翌日に疼痛過敏を生じたほぼ100%が3週間後まで疼痛を持続していることを確認した。よって、このモデルラットを用いて実験を進めていくこととした。【機械的逃避行動試験】上記結果の確認および、疼痛抑制について確認した。まず髄腔内カニューレを行い、薬剤を投与する準備をした。その1週間後カニューレ手術の影響が出ないころを見計らってから、オトガイ神経の切断を行い、異所性疼痛モデルラットを作成した。その後、withaferin Aの投与によって疼痛抑制ができるかどうか検討した。【withaferin Aの至適濃度確定】カニューレオペを行ったラットを8匹用意し、withaferin Aの抗炎症作用についての選考論文より、至適濃度を確認するため、選考論文における至適濃度をAとして、その10倍量、100倍量、10倍希釈量、100倍希釈量、1000倍希釈量を用意し、異所性疼痛モデルラットを用い、疼痛抑制がおきる最小濃度を決定した。Aの10倍希釈量が最小効果が認められる濃度とし、Aの100倍希釈量を薬液のコントロールとした。また、コントロールとして生理食塩水を用いた。【異所性疼痛発症時のタンパク発現量】ナイーブとの比較でオトガイ神経切断後1日目、3日目、1週間目、3週間目、6週間目のラットの脳サンプルを摘出し、規格化してホモゲナイズしたのち、ウエスタンブロットによって確認をした。まずはp38のリン酸化を確認したところ、すべてナイーブより発現が上昇していた。次にNFkB p65のリン酸化を確認したところ、すべてナイーブより発現が上昇しており、異所性疼痛発症時にNFκB p65のリン酸化が亢進されることが分かった。以上を確認しており、順調に進んでいるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の実験計画として【withaferin Aの投与により鎮痛作用について】鎮痛作用について機械的行動試験の結果を統計化し、疼痛抑制が認められる結果を示したい。また鎮痛効果がみとめられるタイムポイントにおいて、NFκB P65のリン酸化が抑制されているかどうかタンパク発現をウエスタンブロットによって確認したい。【異所性疼痛時のサイトカイン発生について】サイトカインについても検討を加えたい。現在のところ候補としてIL-18、IL-6、IL-10を考えている。【異所性疼痛発症時の免疫染色】免疫染色によってNFκB P65の経時的な変化を確認したい。既出論文において、P65のリン酸化が異所性疼痛時、アストロサイト上にマージしていたことが判明している。免疫染色像のデータが欲しいが、現在予備実験中であまり出ていないため、今後in situeに切り替えることも検討している。
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Causes of Carryover |
研究に際し、必要機材の購入と、研究室での新しい研究機械の購入のため。
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