2017 Fiscal Year Research-status Report
ベトナムにおける百日咳発生パターンと乳児への感染リスク
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17K15829
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
樋泉 道子 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (00778623)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 百日咳 / 出生コホート / seroprevalence |
Outline of Annual Research Achievements |
1.分娩時の百日咳抗体保有率と抗体価を明らかにし、児の百日咳罹患可能性を推定するため、ベトナム中南部・ニャチャン市16コミューンに住み、同市のカンホア総合病院産科で1年間に分娩・出生した母児の登録と臍帯血検体採取を平成29年7月より開始した。平成30年1月末までに母児877組の登録と臍帯血採取をおこなった。そのうち母親179人(20%)がベトナムにDPT(ジフテリア・百日咳・破傷風)ワクチンが導入された1985年以前に生まれていた。 2.乳児期の百日咳発生の実態(発生率)を明らかにするため、1. の児を追跡し1歳になる前に急性呼吸器症状がありカンホア総合病院小児科に入院した児を同定、入院時の鼻咽頭ぬぐい液採取を開始した。平成30年3月17日までに24症例(23人)を同定、検体採取をおこなった。 3.年齢グループ毎の百日咳抗体保有率と抗体価を明らかにし、それに基づき年齢別百日咳感染発生率を推定するため、平成29年6月に同地域で全年齢対象の横断的調査をおこない、515人を登録、血液を採取した。8つの年齢グループ、0~5歳、6~10歳、11~15歳、16~20歳、21~30歳、31~40歳、41~50歳、51歳以上の対象者はそれぞれ、102人、56人、54人、59人、91人、70人、59人、24人であった。 平成29年度は予定通り対象の登録、情報・検体収集をおこなった。平成30年度にはそれを継続する一方、収集した検体検査を行う予定であり、現時点で提示できる研究結果はない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度には予定していた通り、1. 出生コホート母児の登録・検体収集を開始、2. その児の追跡および急性呼吸器疾患入院時の情報・検体収集を開始、3. 全年齢対象の横断調査にて対象の登録・検体採取を完了することができた。横断調査より採取した検体の抗百日咳毒素抗体測定は平成30年度に施行する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
1.分娩・出生母児の登録は約7か月間で881組と、目標登録数の2000に達するまでには予想していた1年間よりも長く、凡そ1年半かかると見込まれる。登録・検体収集が完了し次第、抗百日咳毒素抗体(IgG-anti PT)を測定する。 2.出生児の追跡は最後に登録された児が1歳になるまで継続し、急性呼吸器症状を伴う入院をした児の鼻咽頭ぬぐい液検体中の百日咳菌核酸同定は全ての追跡終了後に行う予定である。 3.収集が完了した全年齢対象横断調査血液検体中の抗百日咳毒素抗体(IgG-anti PT)を測定し、年齢グループ毎の百日咳抗体保有率と抗体価を明らかにする。
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Research Products
(1 results)