2021 Fiscal Year Research-status Report
軽度認知機能障害と動脈硬化性疾患リスクファクターの関連:都市部住民における検討
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17K15834
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
杉山 大典 慶應義塾大学, 看護医療学部(藤沢), 教授 (90457052)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 予防医学 / 軽度認知機能障害 / 炎症反応 / 生活習慣病 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の対象者は、研究代表者が参画している先端医療振興財団が行っている神戸市一般住民を対象とした神戸研究の都市部住民コホート研究参加者1134人である。平成22~23年度に市の広報など公募情報提供および地域自治会の協力により研究参加者を募り、ベースライン調査を実施した。以後、平成22年度参加者は平成24年度に、平成23年度の参加者は平成25年度にというように2年おきに追跡調査を継続していたが、2021年度は新型コロナウイルスの影響により追跡調査が行う事ができなかった。また、本務校での学事面・運営面での新型コロナウイルスへの対応業務が増加して、十分な研究時間の確保が難しい状況にあった。 一方、神戸研究に関連した研究として、都市部一般住民における非特異的ストレス指標と将来のフレイル発症リスクとの関連を評価した研究や都市住民における推定1日食塩摂取量と塩分知覚によるGFR低下速度平均との関連を縦断的に評価した研究を行い、学会発表を行った。 また、本研究代表者が分担研究者として参加している関連研究『水分摂取習慣が脳梗塞再発及び認知機能低下に与える影響:画像評価を含めた観察研究』は神戸研究の高齢者が研究対象者であり、2022年2月末現在109人(男性 47人、女性62人)のMRIの撮影が完了するとともに、問診や一般検査(血圧測定や血液検査)も併せて実施する形を取っており、神戸研究本体で行えなかった追跡調査を補完する形となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要で述べたように、2021年度は新型コロナウイルス感染症流行の影響で、現地調査を始めとする研究体制を構築することが困難であったこと加えて、保存検体を用いたバイオマーカーの測定も保存検体を保管している機関へのアクセスが物理的に不可能であったため、2021年度に予定通り進めることが不可能であった。また、研究代表者が本務校所属学部においてオンライン授業関連への対応を司る委員会(メディアIT関連委員会)の委員長および年度途中からは学部執行部として新型コロナウイルス流行下での学部全体の運営に携わる立場であったため、2020年度に引き続いて教育および学部運営に要するエフォートが増加し、本研究を含む研究活動へのエフォートを軽減せざるを得ない状況にあった。 このように本研究は予期せぬ新型コロナウイルス流行の影響を大きく受けたこともあり、今年度の研究進捗状況は「(3)やや遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年4月現在、新型コロナウイルスはまだ収束のメドはたっていないものの、神戸研究は2022年7月より再開する方向で準備を進めている。また、本研究代表者が分担研究者として参加している『水分摂取習慣が脳梗塞再発及び認知機能低下に与える影響:画像評価を含めた観察研究』(研究代表者:京都光華女子大学健康科学部教授 西川智文)では神戸研究の高齢者が研究対象者となっており、従来の追跡調査の補完となるように同研究との連携を進めている。 また、これまで蓄積された追跡調査のデータクリーニングおよびデータセットの整備間完了次第、第3回追跡調査のデータと合わせて、追跡調査におけるMoCAの結果と7~8年前のベースライン時点における古典的な動脈硬化性疾患のリスクファクター(血圧や血糖値などの古典的血清マーカー、生活習慣、血圧脈波による動脈硬化進展度)とMCIの関連、及び前述の古典的なリスクファクターに炎症に関連するバイオマーカーを加えた場合のMCI発症予測能の改善について縦断的に検討する予定である。 今年度は前述のように新型コロナウイルス流行の影響により、神戸研究全体が従来の追跡調査を一度終了せざるを得ない状況となり、保存血清の残量及び保存検体の取り扱いの関係上、2019年度追跡調査によって得られた保存血清を用いた各種バイオマーカーの測定を見送り、2022年度まで本研究を延長することとした。
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Causes of Carryover |
今年度は新型コロナウイルス流行の影響により、神戸研究全体が従来の追跡調査を一度終了せざるを得ない状況となり、保存血清の残量及び保存検体の取り扱いの関係上、2019年度追跡調査によって得られた保存血清を用いた各種バイオマーカーの測定を見送り、2022年度まで本研究を延長することとしたため。
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[Presentation] 都市部一般住民における非特異的ストレス指標と将来のフレイル発症リスクとの関連 神戸研究2022
Author(s)
宮嵜 潤二, 久保 佐智美, 東山 綾, 平田 あや, 佐田 みずき, 桑原 和代, 久保田 芳美, 西田 陽子, 辰巳 友佳子, 中越 奈津子, 川原 瑞希, 平田 匠, 杉山 大典, 門田 文, 宮松 直美, 岡村 智教
Organizer
日本疫学会
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[Presentation] 神戸研究(8年追跡) 都市住民における推定1日食塩摂取量と塩分知覚によるGFR低下速度平均との関連2022
Author(s)
川原 瑞希, 宮松 直美, 杉山 大典, 平田 あや, 桑原 和代, 佐田 みずき, 松本 みな美, 宮嵜 潤二, 久保 佐智美, 西田 陽子, 久保田 芳美, 岡村 智教
Organizer
日本疫学会
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[Presentation] Pre-frail、Frailの関連因子 神戸研究2022
Author(s)
中越 奈津子, 久保 佐智美, 西田 陽子, 佐田 みずき, 桑原 和代, 平田 あや, 東山 綾, 久保田 芳美, 平田 匠, 辰巳 友佳子, 川村 久仁子, 宮嵜 潤二, 川原 瑞希, 宮松 直美, 杉山 大典, 宮本 恵宏, 岡村 智教
Organizer
日本疫学会