2017 Fiscal Year Research-status Report
認知症発生における重点課題の解明・リスク予測の開発に関する疫学研究
Project/Area Number |
17K15844
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
遠又 靖丈 東北大学, 医学系研究科, 講師 (50706968)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 認知症 / 疫学研究 / 危険因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
認知症の予防のためには、認知症発生における重点課題の把握(認知症発生への寄与割合が高い危険因子を解明すること)、認知症の早期発見(リスク予測モデルの開発)が重要である。 本研究の目的は、1)認知症の危険因子の解明、2)認知症における集団寄与危険割合の高い危険因子の解明、3)認知症発生のリスク予測モデルの検証、の3点である。以上の目的を達成するために、平成29年度には下記の①と②を実施した。 ①独自のコホート研究による危険因子の検討:申請者らが実施している前向きコホート研究「大崎コホート研究」(解析対象者:約8000人)のデータセットを用い、代表的な危険因子(糖尿病、高血圧、肥満、喫煙、低身体活動、心理的ストレス、教育歴)と認知症発生との関連について計画した解析作業を完了できた。また個々の危険因子に対する集団寄与危険割合を算出するとともに、Joint effect(危険因子を組み合わせた場合の集団寄与危険割合)に関する解析作業を完了できた。 ②先行研究(文献情報)の収集:「どの危険因子が特に認知症発生との関連が強いのか」を把握することを目的として、文献データベース「Pubmed」を用いて認知症発生の危険因子に関する研究報告の系統的レビューを実施し、2017年度に予備検索を完了した(PROSPERO 2018 CRD42018083700 Available from: http://www.crd.york.ac.uk/PROSPERO/display_record.php?ID=CRD42018083700)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、目的に挙げた「1)認知症の危険因子の解明」と「2)認知症における集団寄与危険割合の高い危険因子の解明」の検討ができるよう、上記「①独自のコホート研究による危険因子の検討」と「②先行研究(文献情報)の収集」の作業を進めることができた。特に「①独自のコホート研究による危険因子の検討」については、平成31年度までに取組みたいと考えていた「Joint effectの検討」も実施することができ、研究報告(学術論文の投稿など)に向けた準備を進めているところである。以上のように、おおむね予定通り順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
「①独自のコホート研究による危険因子の検討」については、平成29年度で得られた研究成果に基づき、学会発表や論文執筆を順次実施する予定である。また「②先行研究(文献情報)の収集」については、得られた文献情報のエビデンステーブルを平成30年度中に完成させたいと考えている。これらの作業を通じて、次なる研究目標として日本人における代表的な危険因子の集団寄与危険割合を算出できるよう、平成31年度までに必要となるデータを準備していきたい。また平成30年度には「3)認知症発生のリスク予測モデルの検証」として、「大崎コホート研究」のデータで妥当性検証が実施できるよう、データ解析(変数作成など)の準備作業を実施予定である。
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