2018 Fiscal Year Research-status Report
地域の住民組織活動による健康情報・行動変容の波及効果に関する疫学的検証
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17K15858
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
今村 晴彦 東邦大学, 医学部, 助教 (40567393)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 住民組織活動 / 地区組織活動 / 波及効果 / 血圧 / 健康知識 / 健康行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地域の住民組織活動(保健推進委員会などの住民活動)に着目し、活動による周囲への健康情報・行動変容の波及効果の程度や範囲を、質問票を用いた縦断調査により疫学的に検証することを目的とする。主な研究実施地域は長野県K町(人口約4,700人)とし、高血圧予防を目的とした町の保健推進委員会活動(2年任期で65人)による、住民への血圧関連知識や健康行動の波及効果を検証する。 平成30年度は、平成29年度に実施したベースライン調査、および効果を検証するための保健推進委員会の活動(健康学習会、啓発ツールの作成と配布、地区の健康教室開催)に引き続き、追加の保健推進委員活動(町の健康まつりでのトイレットペーパー配布[平成30年10月]、および地区の集会所の健康教室開催[平成30年11月])と事後調査(質問票による追跡調査[平成31年1月])を実施した。 事後調査の実施対象者および調査方法はベースライン調査と同様とし、質問項目には、ベースライン調査と同様の血圧関連知識、および血圧計利用などの健康行動等とともに、この1年半の間に、保健推進委員活動やツールにどの程度接したかを含めた。町の40歳以上の住民3,038人に質問票を配布し、平成31年3月時点で1,850人から回答を得た(回収率60.9%)。さらに、保健推進委員を対象として、この1年間の活動状況(活動をどれだけ積極的に行ったか等)に関する質問票調査も実施し、65人中58人から回答を得た(回収率89.2%)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実施地域であるK町について、当初の研究計画であった保健推進委員会活動と事後調査を実施できた。ただし、事後調査の実施時期が、町の事情により当初計画より約半年遅れてしまった。そのため、結果の検証と総括は次年度に行う。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は事後調査の検証と総括を行う。具体的には、事後調査の結果、および保健推進委員を対象とした調査結果について、ベースライン調査結果と連結し、保健推進委員やその活動に接した頻度と、血圧関連知識や健康行動の変化との関連を検証する。さらにその結果について、学会発表や論文による成果発表や、町の広報誌などによる住民への成果還元を実施したい。
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Causes of Carryover |
事後調査の実施が当初計画より遅れたため、結果検証と公表に関わる費用について次年度使用額が生じた。次年度は、研究成果の公表や住民への還元を実施するため、その費用(学会発表費用、論文投稿料、報告書作成費等)に充当する。
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