2020 Fiscal Year Research-status Report
スリランカにおける栄養不良の二重負荷に対する学校食育プログラムの開発
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17K15863
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Research Institution | National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition |
Principal Investigator |
新杉 知沙 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 国立健康・栄養研究所 国際栄養情報センター, 研究員 (30794185)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 子ども / 栄養不良 / 痩せ / 肥満 / 心理的要因 / SDQ / 生活習慣 / スリランカ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、スリランカの小学生を対象に、栄養不良の二重負荷に関連する要因の検討、また栄養不良対策として学校食育プログラムの効果検証を行うことである。 2020年度は、現地介入研究実施の可能性について関係者と協議を重ねたが、スリランカにおける外務省の渡航安全情報の感染症危険レベルは高く、また対象地域であるガンパハ県における当局による外出禁止令も一年を通して頻繁に発出されており、新型コロナウイルス感染症の拡大防止および現地の情勢を鑑み実施に至らなかった。 既存データを用いた解析では、子どもの栄養不良に関連する要因の検討および小児肥満症の基準値の探索を引き続き実施した。皮下脂肪厚により算出した体脂肪率と生活習慣(食生活、菓子嗜好飲料、身体活動、通学手段及び通学時間、睡眠時間)との関連について検討を行ったところ、男女ともに1日あたりの中強度の身体活動(MVPA)時間と肥満に関連がみられた。この解析結果はスリランカの学術大会(03rd International Conference on Non-Communicable Diseases)にて発表し、現地の公衆衛生分野の研究者らに研究成果を還元した。また栄養不良と心理的要因との関連についても検討を行い、男児の痩せと情緒および向社会的な行動に関連がみられた。さらにいくつかの身体測定値による小児肥満の基準値の探索についても論文化し、現在学術雑誌へ投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初予定していた介入研究は、新型コロナウイルス感染症の蔓延の影響により実施に至らなかった。一方、既存データの解析は順調に進めており、学会にて成果報告を行い現在論文投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
介入研究が難しい場合には代替案を含め現地の関係者と協議を進める。また横断調査のデータ解析については、さらなる研究成果の公表を目指す。
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Causes of Carryover |
(理由)新型コロナウイルス感染症の蔓延の影響により研究が中断しているため。 (使用計画)現地調査が難しい場合には学会発表や論文掲載料等の成果公表費に充当する予定である。
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