2019 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation and control of nosocomial infections in the intensive care unit (Multicenter research using molecular epidemiology)
Project/Area Number |
17K15864
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
高橋 弘毅 関西医科大学, 医学部, 助教 (30609590)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | POT法 / MRSA / 医療関連感染症 / 院内感染対策 |
Outline of Annual Research Achievements |
分子疫学検査であるPCR based open reding typing (POT法)を用い、3つの救命救急センター(関西医科大学附属病院、関西医科大学総合医療センター、大阪府立急性期総合医療センター)におけるMRSA院内感染の現状を患者および医療従事者の双方で検査検証した。2019年度に各検査は実施された。患者検体は監視培養と臨床培養によって集められた。医療従事者の検体は年2回、各センターの医師看護師の鼻腔ぬぐい液から集められた。 関西医科大学附属病院においては、入院患者数2233名のうち、MRSA陽性者は30名であり、POT法によって院内感染によるMRSAを推定される5株を同定した。医療従事者の保菌するMRSAは述べ10株が検出された。関西医科大学総合医療センターにおいては、入院患者数1119名のうち、MRSA陽性者は107名であり、POT法によって院内感染によるMRSAを推定され38株を同定した。医療従事者の保菌するMRSAは述べ2株が検出された。大阪府立急性期総合医療センターにおいては、入院患者数1658名のうち、MRSA陽性者は98名であり、POT法によって院内感染によるMRSAを推定される40株を同定した。医療従事者の保菌するMRSAは述べ14株が検出された。各救命救急センターでのMRSAの検出件数や院内感染の状況は異なっていたが、それぞれ院内感染が存在することが証明された。医療従事者の検討では、一定定数のMRSA保菌が確認されたが、患者と共通する遺伝子型のMRSAは検出されなかった。本検討は1年間と限られた期間であり、長期的に院内のMRSAをフォローアップすることで更なる検証と今後の対策に繋げていきたい。
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