2017 Fiscal Year Research-status Report
Forensic DNA Phenotyping(FDP)による身長予測
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17K15882
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
西 健喜 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (70759472)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 個人識別 / Forensic DNA Phenotyping / FDP / 身体的特徴予測 / 表現型予測 / 身長推定 / SNP |
Outline of Annual Research Achievements |
DNAからの外的特徴の予測は、法医遺伝学の分野でForensic DNA Phenotyping(FDP)として知られている。現在までに眼色や髪色、髪の形質等の報告がなされているが、外的特徴(髪色、眼色、肌色など)による表現型の差が少ない日本では、FDP研究において後れを取っている現状である。 本研究は日本人においても差の見られる身体的特徴として、DNAからの身長(補足的事項として体型)推定を目的に研究を行っており、研究遂行にはボランティアによる試料提供が必要不可欠である。 2017年4月における「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」の改定に伴った倫理委員会での承認を得た後に試料提供者の公募を行い、現在までに70人の募集が得られた。試料提供者からはDNA抽出サンプルの採取、身体測定(身長必須、体重は同意の得られた者のみ)および、体型に関連したアンケート調査を行い、得られた試料からのDNA抽出およびデータ整理を完了している。 現在は研究施設外での試料提供者の公募体制も確立しており、他施設での施設利用許可によってIC取得場所が確保され、持ち運び型身長測定器を用いる事で、試料提供者の連絡に対してより迅速に対応できる体制が整っている状態である。 身長予測関連遺伝子に関して、ZBTB38、GDF5、EFEMP1、HMGA2、ADAMTSL3、CDK6、HIST1H2BF、HHIPの8領域に絞っており、これらを中心に解析を行う事を予定している。また予備候補も検討しており、現在はNCBI及びHapMapのデーターベースに存在する関連領域周辺の調査、連鎖したSNPを検討している段階である。また補足的事項としてACTN3、ACE、PPARGC1A、LDLR、apoE、LPL、CETP等の筋関連及び脂質関遺伝子との関与についても検討しており、試料が予定数に達すると同時に解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
内定後での倫理委員会申請予定であったが、2017年4月における「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」の改定に伴い、研究の承認を得るのに遅れが生じた。そのため、研究において必須となるボランティア募集の開始に後れを生じることとなった。 また身体的特徴という研究内容から、試料提供者の募集状況に性別での偏りが見られることも原因にあげられる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在募集を行っている施設以外での試料提供者募集施設を検討することで、募集開始の遅れによる研究の遅れに対応できると考える。 また性別的偏りに対しては、各々の募集定員に達した時点で性別を限定した募集に切り替え、定員に達した性別からの解析を開始したいと考えている。これにより極端に偏りが見られた場合でも結果に影響することなく検討が可能であると考えている。
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Causes of Carryover |
2017年4月における「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」の改定に伴い、倫理委員会での研究承認を得るのに大幅な遅れが生じた。これによりボランティアの募集開始自体に遅れが生じ、現在までの集められたボランティアの人数が平成29年度予定人数の1/3程度となってしまった。 その為、残りの募集予定人数分のギフトカード謝礼分、DNA抽出および解析試薬が次年度使用額として生じた状況である。 翌年度分として請求した金額には、上記の平成29年度予定人数に満たなかった残り募集人数分の謝礼とDNA抽出および解析試薬代、そして平成30年度に予定されていた身長予測タイピングシステムの開発作成費用等として使用する予定である。
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