2019 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of uric acid transfer into the brain via choroid plexus in dementia
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17K15896
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
植村 直哉 香川大学, 医学部, 協力研究員 (20795124)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 尿酸 / 術後せん妄 / 認知機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、これまで、糖の過剰摂取が脈絡叢上皮細胞を介する糖の脳室内への輸送動態を変化させ、海馬を含む脳実質周囲組織に傷害を与え、認知症増悪に寄与する、との仮説を立て研究を行ってきた。果糖は細胞内で代謝されて尿酸を生じることから、尿酸の輸送体の局在を評価したところ、代表的な尿酸輸送体であるGLUT9が脈絡叢上皮細胞の脳室側の細胞膜に局在することと、代表的な尿酸の輸送体であるurate transporter 1 (URAT1)が脈絡叢上皮細胞の基底側の細胞膜に局在することを報告した(Neurosci Lett 659, 99-103, 2017)。今年度は、「血清尿酸値が高値の患者は、脳脊髄液中の尿酸値が高くなるため、脳室周囲組織において抗酸化作用、神経保護作用により認知機能障害を起こしにくい」との仮説を検証するため、手術後に集中治療室での管理を行った2071名を対象に術後せん妄と血清尿酸値に関する観察研究を行った。傾向スコア分析を行い血清尿酸値が低いことがせん妄のリスクファクターとなりえるか、またせん妄陽性となる尿酸値のカットオフ値について統計学的検討を進めている。現在論文執筆中である。また、鉄の輸送体であるヘプシジン、フェロポルチン、ヘファエスチンのヒト剖検脳のアストロサイトや脈絡叢における免疫反応についての論文、血管性認知障害における脳内の流体クリアランスと血液脳関門の障害についての論文を投稿しアクセプトされた。さらに、現在、SGLUT2に関する知見が確実に明らかになってきており、上記輸送体以外の輸送体の脳内における新たな知見も見出している。
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Research Products
(2 results)