ＣＤＩと身体所見を組み合わせて高齢者施設の新たな救急受診トリアージ手法を開発する

2017 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 17K15901
• Research Institution: Jichi Medical University
• Principal Investigator: 阿江 竜介 自治医科大学, 医学部, 講師 (70554567)
• Project Period (FY): 2017-04-01 – 2019-03-31
• Keywords: CDI / 特別養護老人ホーム / 介護士 / 高齢者介護 / 元気さの定量的計測

Outline of Annual Research Achievements

本研究のテーマは、ＣＤＩを用いて高齢者の“元気さ”を定量的に把握し、それらを医療・介護の現場で活用できるかを検証することである。本研究では、介護者による高齢者への印象をＣＤＩ（caregiver daily impression）と定義し、これらを効率的かつ的確に収集できるシステム作りを試みた。
該当年度に、特別養護老人ホームで使用されている介護用電子媒体ソフト（医療機関で言うところの電子カルテ）にＣＤＩのチェックリストシステムの導入を試みた。計画では本年度内に兵庫県にある任意の特別養護老人ホームへの導入を予定しているが、該当施設に勤務する介護スタッフから的確に（標準的に）ＣＤＩのデータを取得できるかどうかを事前に検討する必要性が生じた。そのため、まず鎌倉市にある特別養護老人ホームの施設長と本研究について入念に議論し、引き続いて同施設で実際に勤務している介護スタッフと議論した。この経緯より、異なる施設から標準的にＣＤＩのデータを的確に得るための示唆を得た。さらに、他の施設に先駆けて同施設に試験的にシステムを導入し、データを的確に収集できるかどうかを実際に検証する運びとなった。介護用電子媒体ソフトの扱う業者とも調整が完了し、来年度（2018年6月予定）に試験的導入することが確定した。この導入より、現場の介護スタッフによる生の声を取り入れて、どの施設からでも標準的にＣＤＩのデータを収集できるシステムを構築する。
該当年度は、本研究課題を飛躍的に進捗させることができた。

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

鎌倉にある特別養護老人ホーム（施設長）が本研究テーマの意義に賛同し、同施設から強力な支援を得ることができたため。これに加えて、介護用電子媒体ソフトの扱う業者との調整がスムーズに進捗したため。

Strategy for Future Research Activity

他の施設に先駆けて、鎌倉にある特別養護老人ホームに試験的にＣＤＩのチェックリストシステムを導入し、ＣＤＩに関するデータを的確に収集できるかどうかを実際に検証する。介護用電子媒体ソフトの扱う業者との調整はすでに完了しており、来年度（2018年6月予定）に試験的導入することが確定している。導入後３～６ヶ月間、実際に現場の介護スタッフにＣＤＩチェックリストシステムを利用していただき、改善点の有無について議論を繰り返す。そのうえで、ＣＤＩチェックリストシステムを用いて全国のどの高齢者施設からでも（標準的に）ＣＤＩのデータを収集できるような仕組みを考案する。
その後、研究計画通り、兵庫県の任意の特別養護老人ホームにこのシステムを導入し、ＣＤＩに関するデータを本格的に収集する。

Causes of Carryover

介護用電子媒体システムの導入が遅延し、その分の支出が次年度に繰り越されたため。