2018 Fiscal Year Research-status Report
Cost effectiveness analysis for multi-factorial intervention for elderly inpatients with delirium
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17K15905
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Research Institution | St. Luke's International University |
Principal Investigator |
大出 幸子 聖路加国際大学, 専門職大学院公衆衛生学研究科(公衆衛生大学院), 准教授 (80505074)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 院内デイケア / 標準化看護ケア / 費用効果分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、まず入院中の高齢のせん妄患者に対する看護ケアを標準化するため、全病棟に貼りだすための看護ケアポスターを作製した。医師、看護師、薬剤師、作業療法士と協力して、必要な文献のレビューをしつつ、内容を決定し、ポスターデザインを完成させた。2019年度に全病棟分印刷を行い、病棟で活用される予定である。さらに、高齢患者のケアに関しては、入院中の患者への身体拘束ゼロを達成した金沢大学の看護部と交流が実現し、医療行為に関わる倫理についてカンファレンスが実施された。またせん妄患者の寛解を目的とした作業療法士による院内デイケアでは、2018年度は全41回実施し、のべ204名の患者に作業療法を提供した。院内デイケアの患者への周知徹底は、チラシを作成し、入院時に全患者に配布する仕組みを整えることができた。また、今回の目的であるこれらの高齢の入院患者のせん妄寛解を目標とした複合介入に対する費用効果分析は、神戸薬科大学の森脇健介先生の指示を2018年度も複数回打ち合わせを重ね、モデルのパラメーターが決定し、2017年度(80名)、2018年度(204名)にケアの対象となった合計284名の患者データとヒストリカルコントロールとなる2012年のせん妄患者のデータを当てはめ分析中である。この分析の結果は、現在、2019年11月にコペンハーゲンで開催のISPOR学会で発表するため、6月末の抄録締め切りに向けて、分析を行っている。2018年度も引き続き、本研究のための定期会議を毎月1度行い、看護師、作業療法士、(医師、薬剤師は必要時参加)、とともに行い、定期ラウンド、院内デイケア、薬剤の調整などについて、進捗を管理した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2017年度末に、根幹となって本研究に取り組んでくれていた精神専門看護師1名が予期せず退職となり、チームの建て直しが必要となったが、幸い多くの医療者の協力が引き続き得られ、引き継ぎはスムーズで、2018年度はさらに当大学の看護学生もアルバイトとして院内デイケア時の患者の移送やデータ入力などで協力が得られ、協力体制が強化された。もともと2年計画であったが、3年計画に変更を行ったが、この変更は、より精度の高いモデルの構築のために、さらなる患者データの収集がより好まれるため判断したもので、現在、モデル分析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度はまず、6月末に抄録締め切りを控えているISPOR学会(2019年11月コペンハーゲンにて開催)への演題登録に向けて、分析を終わらせ、抄録を書き上げることを目標に活動する。引き続き、研究計画通り、院内デイケア、院内ラウンド、薬剤調整コンサルテーション等の高齢の入院患者のせん妄寛解を目標とした複合介入の活動を継続しつつ、モデル分析で利用できる患者データの収集に努める予定である。
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Causes of Carryover |
当初2年間の研究計画で最終年度に、学会発表を予定しており、学会参加費および旅費を計上していたが、3年間計画に変更し、2019年度に学会発表を行うこととしたため。
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