2017 Fiscal Year Research-status Report
自己免疫性膵炎の発症に影響する遺伝的背景の異常とその病態への関与に関する研究
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17K15912
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
藤林 周吾 旭川医科大学, 大学病院, 客員助教 (10624174)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 自己免疫性膵炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
自己免疫性膵炎(Autoimmune pancreatitis;以下、AIP)は原因不明の慢性膵炎であり、高IgG血症やリウマチ因子などの自己抗体が陽性で、ステロイド治療への良好な反応が特徴とされる。IgG4関連疾患の膵病変の可能性が高いが、その発症には環境因子に加え遺伝的素因の関与が示唆されている。申請者は、これまでに本疾患の病態と関連する複数の候補遺伝子多型を同定した(Biochem Biophys Rep 2016)。本研究では、これらの遺伝子異常のうちP2RX3ならびにTOP1に着目し、慢性膵炎の進行や治療抵抗性にどのような影響を及ぼすかを検証することを目的とする。機能解析を行う上で、当初は膵由来細胞を用いることを計画していたが、適切なヒト細胞リソースを得ることは極めて困難である。そこで、マウス膵より調整した膵腺房オルガノイドを用いた実験を並行して進める事とした。Pdx1-Cre;LSL-KrasG12Dマウスでは、12週齢程度で腺房-導管異形成(acinar to ductal metaplasia; ADM)を生じ、これらより比較的簡便に膵腺房オルガノイドを調整可能であった。これらの細胞リソースを用いて、同定済みの遺伝子バリアントの解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒト細胞リソースを得ることが困難なため、マウス細胞で代用している。平成29年度は取得済みの初代細胞を用いて実験を進め、全体としては順調に進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
マウス初代細胞を複数ラインを新たに取得する。申請時の計画に従い、標的遺伝子バリアントの機能解析を継続する。
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Causes of Carryover |
(理由)概ね予定通り執行したが、408,893円の執行が困難であったため、その分を繰越とした。 (使用計画)細胞分析に必要な小型備品の購入に利用する。
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Research Products
(10 results)