2018 Fiscal Year Research-status Report
エクソソーム内マイクロRNAおよびRNA結合蛋白を介した癌進展メカニズムの解明
Project/Area Number |
17K15913
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
後藤 拓磨 旭川医科大学, 医学部, 助教 (50646007)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | microRNA / 膵臓癌 / 膵管内乳頭粘液性腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)進展の指標となる福岡クライテリアと関連のある血中exosome中microRNA(ExmiR)を明らかとした(進展の遅い福岡ネガティブから悪性度の高いHigh risk stigmataにかけて段階的に上昇する血中ExmiRを明らかとした)が,この腫瘍抑制miRを過剰発現することで癌細胞株の増殖が抑制されることを明らかにした。 細胞株にexosomeを処置することから,より効率的なexosome回収法を検討し,従来法より効率的な回収法をELISAにて確認した. exosome処置にあたり,より確実なexosome分泌抑制薬を検証し,複数の濃度調整にて適正な試薬・濃度を明らかにした. 複数のRNA結合蛋白(RBP)関連遺伝子をsiRNAでKnock downすることで,膵癌細胞株および膵管内乳頭粘液性癌(IPMC)細胞株において増殖を抑制するRBPをさらに複数種類同定した.このRBPのうち,膵癌で最も高度に増殖を抑制するRBPも明らかとした.またこのRBPのKnock downにて,癌細胞中の腫瘍関連miRの発現が低下し,逆にexosome中で発現が亢進する傾向を明らかにした.さらに最も増殖を抑制するRBPのKnock downでは,癌細胞中の腫瘍抑制miRの発現が亢進し,逆にexosome中では発現が低下していることもわかった.一方で粘液性癌細胞においてはこれらのmiRの変化が癌細胞と異なることを確認した.その他,RBPと細胞中およびexosome中のmiRの動態を解析中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
より効率的なexosome回収法,exosome分泌抑制法につき明らかにした. 膵臓癌・IPMCなど複数の癌細胞株におけるRNA結合蛋白(RBP)の癌増殖への影響を明らかにした.さらに同定したRBPによるmicroRNAやexosomeとの相互作用の解析を進めているため
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Strategy for Future Research Activity |
腫瘍および癌の増殖抑制に関連したRNA結合蛋白(RBP)とmicroRNAとの関連を追加解析し,候補となるRNA結合蛋白およびmicroRNAを過剰発現・抑制することより,より高度に腫瘍抑制をきたす候補物質を明らかにする.腫瘍の進展によりRBPとexosome中のmicroRNAの動態が変化することを明らかにし,それぞれの進展におけるRBP,exosome,microRNAの役割を明らかにする. またRBP同士の相互作用についてもRT-PCRやウエスタンブロッドによる解析にて明らかにする. exosomeの分泌を抑制した際の候補RBPやmicroRNAの変化を解析し,腫瘍進展に関わる影響を明らかにする.
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Causes of Carryover |
当初より3年間の研究計画である. 明らかとした癌や腫瘍における関連microRNAやRNA結合蛋白を遺伝子導入試薬を用いて発現調整細胞を作成する.癌や腫瘍exosome回収を行い,細胞やマウスへ処置することで,細胞動態の変化および転移形成への関与を明らかにする。
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Research Products
(1 results)