2017 Fiscal Year Research-status Report
Fcγレセプターを介したTL1A分泌産生機構の解明
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17K15915
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
金澤 義丈 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (60779726)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 単球 / TL1A / Fcレセプター / TNFα |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画書にのっとり、当施設の倫理委員会に研究計画を提出し、研究についての承認を得られた。これまでに健常人の末梢血からリンパ球分離液を用いて、末梢血単核球を分離し、その後、磁気ビーズを使用することで単球を回収し、フローサイトメトリーによるFcレセプターのサブタイプの発現状態の確認を行った。その結果、磁気ビーズを使用した分離法では末梢血単球のうち、CD16-CD14+単球が分離されていることをフローサイトメトリーを用いて確認した。さらに単離したCD16-CD14+単球分画はFcレセプターのうち、CD32 (FcγRII), CD64 (FcγRI), CD86 (FcαR)を発現していることを確認した。また、回収したCD16-CD14+単球を免疫複合体刺激下に培養を行い、培養上清中のTNFαとTL1Aの測定を行った.CD16-CD14+単球は免疫複合体刺激により培養6時間~24時間後の上清中においてTNFαの高値が確認された.一方で、TL1Aについては培養48時間~72時間において培養上清中の濃度が高値であることが確認できた。さらに、Toll様受容体8(TLR8)のアゴニストであるR848を使用して、免疫複合体刺激と同時に刺激培養を行い、TL1A分泌の抑制について確認をおこなった。R848と免疫複合体の同時刺激ではTNFαの分泌が培養48時間~72時間において著明に増加し、既報の結果と同様であったが、TL1Aの分泌については既報と異なりR848によるTL1Aの分泌抑制効果は、健常人の間でばらつきがあり、現在、健常人におけるサンプル数を増やして確認中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
現在、健常人の末梢血から単球を回収し、フローサイトメトリーによるFcレセプターのサブタイプの発現状態の確認と、免疫複合体刺激下の培養を行い、培養上清中のTNFαとTL1Aの測定を行っており、また、TLR8のアゴニストであるR848を使用して、刺激培養を行い、TL1A分泌の抑制について確認中であるが、当初予定されていたTLR8アゴニスト刺激によるTL1Aの分泌抑制について、健常人サンプル間でばらつきがあり、かつ、これまでに報告されている結果と異なり、R848刺激をおこなっても、TL1Aの分泌抑制を十分に示さない結果が得られ、現在、R848の濃度を変更したり、サンプル数を増やして、上記結果が妥当なものかどうか確認中である。また、末梢血からの単球の回収率が低く、実験に十分な量の単球の確保がときに困難であることから、現在、培養条件の最適化(培養時の1条件あたりの細胞数や培養液の量、培養上清の回収時点の選定など)を行っているため、培養単球を用いたウェスタンブロットや定量的PCR(Q-PCR)による遺伝子発現の確認まで至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、培養条件の最適化を行った後、健常人の末梢血より前述の方法を用いて、CD16-CD14+単球の単離を行い、Fcレセプターからの刺激培養を継続して行い、単球細胞内のシグナル伝達や蛋白の発現について、ウェスタンブロットやQ-PCR法を用いて検討を行う予定である。また、Fcレセプターのサブタイプ毎に各サブタイブの刺激抗体を使用して刺激を行い、TL1A分泌に主に作用するFcレセプターサブタイプの同定を進めてゆく予定である。さらに、フローサイトメトリーの結果からCD16-CD14+単球ではFcγレセプターの他にもFcαレセプターを発現していることが確認されていることから、Fcαレセプターからの刺激をIgA抗体を使用して行い、CD16-CD14+単球からのTNFαとTL1Aの分泌についても同様に確認を行う予定である。今後さらに、患者病理組織について、TL1Aのリスクアリルにもとづいて、炎症組織における末梢血単球由来の抗原提示細胞のサブセットの確認や組織中のTL1Aの発現や免疫複合体の沈着、IgA抗体の発現量やIgA被包細菌の有無、線維化との関連などについて、比較検討を開始する予定である。また、患者血液より末梢血単球を回収し、TL1AのリスクアリルとTL1AやTNFαなどの各種サイトカインの分泌や細胞内シグナル伝達機構との関連について、健常人で得られた結果をもとにウェスタンブロットやQ-PCRなどを用いて検討する予定である。
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Causes of Carryover |
平成29年度に試薬等の購入後に残った額が小額であったため、次年度の試薬の購入などに合わせて使用するため、繰り越した.今後、平成30年度の交付金を使用して、免疫組織染色や単球の刺激培養とその後のQ-PCRやウェスタンブロットに必要な試薬を購入予定である。
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