2017 Fiscal Year Research-status Report
食道・胃上皮内アセトアルデヒド濃度測定とL-システイン製剤による発癌抑制への試み
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17K15917
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
八田 和久 東北大学, 大学病院, 特任助手 (30706932)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アセトアルデヒド / L-システイン |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、生体ブタを用いて、内視鏡下に生検を行い、食道上皮内アセトアルデヒド濃度測定の手法の確認を行うとともに、ヒト食道生検組織中アセトアルデヒド濃度測定を行った。ヒト生検組織中のアセトアルデヒド濃度測定に関しては、採取した生検検体を0.6Mの次亜塩素酸300µLが入ったエッペンに入れて固定し、エッペンを氷で冷却しながら検体をホモジナイザーで粉砕、それをガラスバイヤルに入れ密閉し、-20℃の冷蔵庫で保管して、後日、ガスクロマトグラフィー法にてアセトアルデヒド濃度を測定する、という手法で行った。健常成人男性(ALDH2活性型10名、ALDH2不全型10名)を対象として、飲酒後に唾液中のアセトアルデヒド消去作用のあるL-システイン製剤あるいはプラセボ製剤(それぞれ別日に投与)を60分間継続投与し、飲酒前、飲酒30・60分後に唾液・血液採取、飲酒60分後には内視鏡下に食道生検を行い、それぞれのエタノール・アセトアルデヒド濃度を測定した。 今年度は、予定されていたALDH2活性型10名、不全型10名に対してL-システイン、プラセボ投与を行い、本研究を遂行した。結果としては、飲酒後の血中アセトアルデヒド・エタノール濃度、食道組織中エタノール濃度はL-システイン製剤投与の有無による差異を認めなかった。一方、唾液中アセトアルデヒド濃度は、L-システイン製剤投与群でALDH2活性型・不全型共に有意に低下した(それぞれp <0.01, p <0.05)が、逆に食道組織中アセトアルデヒドについては、ALDH2活性型・不全型共にL-システイン製剤投与群でアセトアルデヒド検出可能な症例を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね順調に研究は遂行され、当初予定されていた20名の健常者に対して研究を行い、研究結果をまとめ、論文投稿中である。しかし、本研究における「L-システイン投与により食道組織内アセトアルデヒドが抑制される」という仮説とは異なり、L-システイン投与された対象者でアセトアルデヒドが検出された。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定されていた研究は現在論文投稿中であるが、今回の結果の要因を検索するため、ヒト正常食道扁平上皮細胞株であるHet1A細胞を用いて、L-システイン濃度がHet1A細胞のADH1B・ALDH2発現に及ぼす影響などを調べる予定としている。
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Causes of Carryover |
今回、612円の差額が生じた。これについては、来年度のHet1A細胞を用いた研究において使用する予定である。
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