2018 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of stem cell pathogenesis in inflammatory bowel disease using primary intestinal epithelial stem cells culture and development of new therapeutic agent
Project/Area Number |
17K15930
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
西村 龍 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (60778132)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 幹細胞機能評価 / 炎症性腸疾患 / 初代培養 |
Outline of Annual Research Achievements |
代表的な消化管疾患である大腸癌や炎症性腸疾患は上皮細胞の異常により生じることが主要な病態として考えられており、Wntシグナル亢進、Notchシグナル亢進など、上皮細胞の分化制御機構の破綻が様々な腸疾患の病態と関連することを当教室では明らかとしてきた。しかしながら、幹細胞自体の制御機構破綻については未だ明らかではなく、特に炎症性腸疾患による幹細胞形質への影響については全く解析されていない。そこで本研究では、ヒト腸管上皮細胞オルガノイドを用いて幹細胞可視化を試み、幹細胞機能を動揺させる化合物を同定し、炎症性腸疾患の新規治療薬を開発することを目的とする。 当研究室では初代培養系を用いて体外炎症性疾患疑似モデルの確立に独自に成功している。この疑似モデルを用いてIBD新規治療候補薬の効果を評価し、その作用機序の詳細を明らかにした(JG 2019)。また、初代培養系への遺伝子導入法を独自に開発し、レンチウイルスを用いて初代培養細胞に遺伝子導入する技術を確立している(BBRC 2014)。まずヒトLgr5プロモーターを抽出し、GFP遺伝子と結合させる。さらにLgr5p-GFP遺伝子もしくはCMVプロモーターを用いたCMVp-GFPを組み込んだレンチウイルスを構築する。マトリゲル内にヒト小腸・大腸オルガノイドとウイルスを同時に混入し培養ディッシュ上で固形化させる。さらに培地を添加して培養を行い、1週間後に蛍光の発光を共焦点蛍光顕微鏡にて確認する。可視化した幹細胞の機能評価法を開発することにより、IBD患者の幹細胞病態を明らかとすると共に、幹細胞機能を動揺させる化合物を同定し、上皮幹細胞を標的としたIBD新規治療薬開発の基盤を構築する。
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