• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2017 Fiscal Year Research-status Report

炎症性腸疾患治療薬5-ASAの作用機序の解析

Research Project

Project/Area Number 17K15935
Research InstitutionUniversity of Tsukuba

Principal Investigator

林 杏子 (大岡)  筑波大学, 生命領域学際研究センター, 研究員 (50569019)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2019-03-31
Keywords腸管免疫 / 芳香族炭化水素受容体
Outline of Annual Research Achievements

5-ASAがどのようなメカニズムで大腸粘膜固有層のTreg細胞を増加させているか、AhRに着目して明らかにする事を目的とした。
5-ASAの経口投与によってマウスの大腸粘膜固有層のTreg細胞が顕著に増加するが、AhR欠損マウスでは増加しないことをフローサイトメトリーや免疫染色で明らかにした。5-ASAが造血系、非造血系どちらの細胞のAhRを活性化することで大腸粘膜固有層のTreg細胞を増加させるか明らかにするために、野生型マウスにX線照射し、野生型マウス、あるいはAhR 欠損マウスの骨髄細胞を移入した骨髄キメラマウスを作製し5-ASAを経口投与したところ、野生型マウスの骨髄細胞を移入したキメラマウスでは大腸粘膜固有層のTreg細胞が顕著に増加したのに対し、AhR欠損マウスの骨髄細胞を移入したキメラマウスでは増加が見られなかった。この結果から、5-ASAによって造血系細胞のAhRが活性化される事でTreg細胞が増加する事が示された。
また、5-ASA投与によりAhRが活性化されると、腸管において活性型TGF-βが増加する事を見出した。5-ASA投与による腸管のTreg細胞の増加は、TGF-β受容体の活性化阻害剤であるGW788388を同時に投与する事で消失した事から、5-ASAによる活性型TGF-βの増加が大腸粘膜固有層のTreg細胞の増加に寄与している事が示唆された。Q-PCRを用いて様々な因子を網羅的に解析したところ、活性型TGF-βを増加させる因子の一つであるintegrinαVが5-ASA投与によって大腸で増加し、この増加はAhR欠損マウスでは見られなかった。
これらの結果から5-ASA投与によって大腸の造血系細胞のAhRが活性化され、integrinαV が誘導され、活性型TGF-βが増加する事によってTreg細胞が増加している事が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

研究計画書提出時には、5-ASA投与によるAhRの活性化に伴い誘導されてくる因子をマイクロアレイを用いて同定する予定であった。しかし、TGF-β受容体の活性化阻害剤GW788388投与によって5-ASAによるTreg細胞増加の効果が消失する事を見出したため、5-ASAによる活性型TGF-βの増加が大腸粘膜固有層のTreg細胞の増加に寄与しているという結果を速やかに得る事が出来たため。

Strategy for Future Research Activity

腸管免疫系を活性化させることで全身の免疫系に影響を及ぼすことが報告されている。5-ASAによって大腸粘膜固有層のTreg細胞の割合が増加することが示されたため、当初の研究計画通り、既に効果が知られている腸炎に対してだけでなく、全身性のアレルギーや、喘息や花粉症、ダニアレルギーなどの局所アレルギーモデルマウスを作製し、5-ASA投与によって症状が抑制されるか否か検討する。
また、これまでに我々が見出したAhRを活性化する機能性食品や乳酸菌をマウスに投与することで大腸粘膜固有層のTreg細胞の割合が増加するか否か解析する。Treg細胞の割合が増加した場合には、全身性のアレルギーが抑制されるか否かについても検討する。

  • Research Products

    (2 results)

All 2017

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 2 results)

  • [Journal Article] The frequency of Th17 cells in the small intestine exhibits a day-night varidation dependent on circadian clock activity.2017

    • Author(s)
      Thu Le HP, Nakamura Y, Oh-Oka K, Ishimaru K, Nakajima S, Nakao A
    • Journal Title

      Biochem. Biophys. Res. Commun.

      Volume: 490 (2) Pages: 290-295

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2017.06.038.

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] Induction of colonic regulatory T cells by 5-aminosalicylic acid (5-ASA) by activating the aryl hydrocarbon receptor.2017

    • Author(s)
      Oh-oka K, Kojima Y, Uchida K, Yoda M, Ishimaru K, Nakajima S, Hemmi J, Kano H, Fujii-Kuriyama Y, Katoh R, Ito H, Nakao A
    • Journal Title

      Cell Mol. Gastroenterol. Hepatol.

      Volume: 4 (1) Pages: 135-151

    • DOI

      10.1016/j.jcmgh.2017.03.010.

    • Peer Reviewed / Open Access

URL: 

Published: 2018-12-17  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi