2017 Fiscal Year Research-status Report
多発胃癌発生予測因子としてのmicroRNAの有用性
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17K15939
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
林 義人 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (80647123)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 異時性多発胃癌 / バイオマーカー / microRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、発癌率が高率であることが既に明らかにされている早期胃癌内視鏡治療後の異時性多発癌の発生予測因子としてmicroRNA発現異常の有用性を検討することを目的としている多施設共同研究である。5年以内に複数の早期胃癌に対して内視鏡治療を施行した多発胃癌患者と、初発より5年以上の期間に再発を認めていないコントロール患者の背景胃粘膜より生検を行い、2群間でmicroRNA発現量の比較を行う。さらに同定したmicroRNAの胃発癌機序への関与について、細胞株を用いて検討を行う。これまでに、目標としていた症例数の生検や血液検体の収集を終了した。さらに患者・腫瘍背景因子を含めたデータを固定し、網羅的なmicroRNA発現解析の準備を進めている。今後、バイオマーカーとなるmicroRNAを同定し、ヒト胃粘膜細胞株やマウスを使用し、同定したmicroRNAの機能解析に関する研究を進めていく予定である。 本研究により、今後も増加していくことが予想される早期胃癌の内視鏡治療後の患者のサーベイランスの方法を患者ごとに設定することが可能となり、リスクの低い患者にとっては不要な検査を避け医療費の低下つながりうること、リスクの高い患者にとっては多発胃癌の早期発見につながり最終的な臓器温存やQOLの維持に寄与すると考えられる。また、この研究により、microRNAの発現異常が胃発癌予測因子として有用であることを明らかにするものと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
生検・血液検体の収集を終え、今後解析を行える段階に入っている。当初の計画に近く順調に進捗していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
異時性多発胃癌のバイオマーカーとなりうるmicroRNAの同定を行い、その機能解析を進めていく。また、学会発表や論文発表の準備を進めていく。
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