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2018 Fiscal Year Research-status Report

新規抗癌自己抗体による膵癌制御法の開発

Research Project

Project/Area Number 17K15947
Research InstitutionOkayama University

Principal Investigator

松本 和幸  岡山大学, 医学部, 客員研究員 (40795027)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywords抗RPL29抗体 / 膵癌
Outline of Annual Research Achievements

我々は、患者血清より抗癌活性を有する可能性がある自己抗体:抗RPL29抗体を同定し、本抗体を血中に有する膵癌患者の予後が良いというプレリミナリーな検討結果を報告している。本研究では、抗RPL29抗体の臨床的意義を、他癌腫を含めてより詳細に解析し、更に新規抗体薬として開発することを目的としている。 今年度の目標は、①他の癌腫における血清中抗RPL29抗体の有用性の有無、②抗RPL29抗体の抗体医薬としての可能性探索であったが、前年度の目標であった、①間接ELISA法による血清中抗RPL29抗体の絶対定量化の課題が達成されておらず、引き続き実験を行った。
従来使用していたELISAキットでは、非特異的反応が大きいことが判明し、様々なELISAプレート・ブロッキング液・RPL29抗原・二次抗体などを検討し、非特異的反応が抑えられるキットを得ることができた。このキットを用いて、膵癌患者の血清で、化学療法を受けた60例の膵癌患者のRPL29抗体値を測定したところ、RPL抗体中央値は2.1ug/mlとなり、同値をcut-off値とし、抗体価が高い群と低い群で生存期間を比較したところ、中央値はそれぞれ、429(IQR: 271-733)日、283(IQR: 182-575)日であった(log-rank test P=0.18)。予後調査が行えていない症例が存在するが、測定データ内では抗体価によって生命予後との有意な相関関係ないものの、抗体価が高い例では、生存予後がよい傾向を認める結果であった。現在は各症例の予後調査および、多施設で集積した膵癌患者の血清でRPL抗体値を測定中である。現段階において症例数が増えれば、生命予後に差が出る可能性は十分に考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

ELISAキットの最適条件の設定はできたが、膵癌患者の血清RPL29をこのキットで測定したところ、当初の予想と異なり、予後との相関は現在のところまでは、認められてない。臨床データを多角的に解析し、関係性を検討しているため、時間を要している。このため、抗体医薬としての可能性探索や、他癌腫での検討は行えていない。
癌患者の血清収集については、予定どおり十分な検体数が集まっており、前述のとおり、今後は全症例でのRPL抗体の測定を行う。

Strategy for Future Research Activity

十分量確保できている膵癌患者の臨床データを多角的に解析し(Stage・生命予後・抗癌剤応答性など)、評価を行う。全症例でのデータがそろえば、同治療を受けた患者、同stageでの解析も可能となる。関連性が認めれば、抗体医薬の可能性を探り、臨床応用を目指す。関連性が乏しいようであれば、他の癌腫での関連を調べることにする。

Causes of Carryover

理由:間接ELISA法の条件検討に時間を要した為、今年度は多くの検体の測定と解析に時間を要した。このため、次年度繰り越し額が生じた。
使用計画:現在は、集積した全症例の血清のELISA測定を施行中である。約180例の血清が集まっておりStage・生命予後・抗癌剤応答性など、様々な臨床データとの関係性を検討できるものと考える。関係性が得られれば、臨床応用に繋がる研究へ取り組んでいく。このための、動物購入費用・抗原作成などが経費として使用される。一方で、関連性が認められないようであれば、他臓器癌での検討を開始するため、ELISAキット購入などに経費を使用していくことになる。

URL: 

Published: 2019-12-27  

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