2017 Fiscal Year Research-status Report
腸内細菌叢解析による骨粗鬆症のメカニズム解明と新治療開発の試み
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17K15962
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
灘谷 祐二 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 病院講師 (00634007)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 腸内細菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト腸内細菌の至適部位の検索と、以後の研究の進展のために、まず最初に生検組織よりの腸内細菌叢の解析が可能であるかの検証と、各消化管部位における腸内細菌叢の変遷の検討を行った。検体としては当院で小腸内視鏡を施行した患者における生検組織を用いた。採取した後、複合酵素法でDNAを抽出PCR後、16SrDNA解析を行った。得られた配列データは情報学的解析(Operational Taxonomic Unit解析)を介して細菌叢の菌種組成を明らかにした。 小腸内視鏡にて採取した生検検体では、ほとんどのサンプルが増幅可能であり各部位での細菌叢検討が可能であることが明らかとなった。しかしながら、食道、胃などの上部消化管のサンプルでは増幅効率が下部消化管のサンプルに比較して悪く、結果としてPCR増幅不能なサンプルが上部消化管では下部消化管に比して多かった。 結果としては消化管すべての部位でFirmicutesが最も優勢であり、Firmicutes, Proteobacteria, Bacteroidetes, Actinobacteriaの4種で95%以上を占める結果となった。また、小腸と大腸では細菌叢の傾向が異なっており、大腸ではBacteroidesが占める割合が小腸に比べて増加していた。また、すべての部位で個々人の細菌叢の差は大きく今後の研究で個人差をどのように解決するかが重大な問題になると予測された。 以上を考えるとやはり、小腸もしくは大腸のサンプルを用いた検討が本研究では必要ではないかと考えられる。 マウスを用いた基礎実験は現在のところモデル作成段階であり、結果は未だでていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
基礎実験ではモデル作成に時間がかかるため。 また臨床検体は事前条件検討に時間がかかっているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今回の得られた臨床知見を更に検証し、条件設定をすすめていく。 また、基礎実験ではこのまま検討を継続する。
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Causes of Carryover |
現在計画より少し遅れており、次年度に合わせて実験を進める予定である。
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