2018 Fiscal Year Annual Research Report
Predictive model of lymph node metastasis in T1 colorectal cancer using artificial intelligence
Project/Area Number |
17K15972
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
一政 克朗 昭和大学, 医学部, 助教 (90595612)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 早期大腸癌 / リンパ節転移 / 人工知能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、大腸T1癌のリンパ節転移の有無を正確に予測し得る人工知能ソフトウェアの開発である。現状では、外科手術されている大腸T1癌の約90%にリンパ節転移を認めていない。外科手術前にリンパ節転移の有無を予測し、転移のない外科手術例を極力減らし内視鏡治療のみで完結させることで、患者への低侵襲医療の実現、さらには医療費削減への貢献が見込まれる。H29年度は研究代表者施設において外科手術された大腸T1癌690例を用いて、転移予測AIモデルを作成した。うち590例をsupport vector machineを利用したAI による機械学習に、100例をAIモデルの精度検証に用いた。機械学習には45の臨床病理学的因子(患者身長、体重、年齢、性別、腫瘍局在、腫瘍径、既往歴、生活歴、血液検査/尿検査データ等)とリンパ節転移の有無をデータセットとして使用した。そして、術前リンパ節転移予測において現行の大腸癌ガイドラインの比較検証を行った。AIモデルとガイドラインの転移に対する偽陽性率はそれぞれ31%と91%であった。いずれにおいても感度は100%であった。つまりガイドラインに比べAIモデルでは転移陽性の見落としなく、転移のない外科手術例を約1/3に減らせる可能性を示せた。この転移予測AIモデル(第一世代)の研究成果をヨーロッパの内視鏡学会誌であるEndoscopy(IF=6.6)に報告し、掲載された(Ichimasa K, Kudo SE, Mori Y et al,Endoscopy 2018)。 H30年度は日本国内、アメリカ、ヨーロッパの学会で本研究成果の発表を行い、当該分野におけるエキスパートと議論を重ねた。第88回大腸癌研究会では優秀発表賞を受賞した。 H30年度以降はAIモデルの予測精度を上げるべく多量の症例数の集積を行い、現在もこれらサンプルの機械学習による転移予測AIモデルのアップデートを継続的に行っている。
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