2017 Fiscal Year Research-status Report
Assessment of risk for colorectal neoplasm in first-degree relatives of colorectal cancer patients
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17K15978
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
関口 正宇 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医員 (50648342)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 大腸がん検診 / 家族歴 / 大腸癌 / 大腸腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本の大腸がん検診に家族歴(第一度近親者の大腸癌歴)を組み込むべきかを検証すべく、本研究では、大腸癌家族歴の有無によって大腸癌・腫瘍の有病割合に違いがあるか明らかにすることを目的としている。前向きにデータを収集していく前に、平成29年度は、国立がん研究センター検診センターの5000人以上のデータを用いて、大腸癌家族歴を含めた検診受診者背景因子と大腸癌・腫瘍の有病割合の関係を検証し、家族歴(第一度近親者の大腸癌歴)が有る場合と無い場合における大腸Advanced neoplasia[大腸癌やadvanced adenoma(径10mm以上の腺腫や病理組織学的に絨毛構造を25%以上有する腺腫、さらには本邦の粘膜内癌にほぼ相当するhigh-grade dysplasiaを有する腺腫性腫瘍)を含む]の有病割合を基礎データとして調査することとした。その結果、性別、年齢、大腸癌家族歴、ボディマス指数、喫煙歴が大腸Advanced neoplasiaの有病割合と関連する因子として検出され、大腸癌家族歴がない場合とある場合の大腸Advanced neoplasiaの有病割合がそれぞれ、4.1%、6.1%(2人以上の第一度近親者に大腸癌家族歴がある場合は13.2%)であることが判明した。平成29年度に既に本内容を英文論文として発表している。今後、今回得られた結果を基礎データとして、さらに特に家族歴がある場合の大腸癌・腫瘍の有病割合について前向きにデータを集め、検証を深めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度に、英文論文発表の業績も得られ、その意味では順調に進行していると言える。しかし、これから前向きデータを収集していくに際し、国立がん研究センターで新たに研究倫理審査委員会からの承諾を得る必要があるが、その点で、まだ時間を要すると予想され、やや遅れていると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
大腸癌家族歴と大腸癌・腫瘍の有病割合に関する前向きデータ、具体的には国立がん研究センター中央病院で大腸癌の加療歴のある患者の第一度近親者の大腸癌・腫瘍の有病割合データを前向きに収集していく。実際の大腸癌加療情報に基づいた家族歴情報を用いるため、質問票に基づく場合に比べ、より正確な情報が得られ、その結果、大腸がんスクリーニングにおける家族歴の扱いについてより適切に検証できることが期待される。前向きデータ収集に向け、国立がん研究センターで新規に研究倫理審査委員会からの承諾を得るべく、早急に準備を進めていく。
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Causes of Carryover |
平成29年度は、大腸癌家族歴と大腸癌・腫瘍有病割合に関する前向きデータ収集の前段階として、基礎データの収集・解析を行ったため、次年度使用額が生じた。次年度使用額については、前向きデータ、具体的には国立がん研究センター中央病院で大腸癌の加療歴のある患者の第一度近親者の大腸癌・腫瘍の有病割合データを前向きに収集していくのに際して使用する。
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