2018 Fiscal Year Research-status Report
IGF-2陽性iPS細胞由来心筋前駆細胞の樹立と 機能解析及び心筋移植効果の検討
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17K15981
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
青沼 達也 旭川医科大学, 医学部, 客員助教 (90646001)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | iPS細胞 / 心筋分化 / 心筋前駆細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、心筋分化効率が高いiPS由来心筋前駆細胞(iPSC-CPC)を純化、精製してマウス心筋梗塞モデルに移植して治療効果を検討する事である。研究者らの予備検討で心筋分化効率が高いCPC由来iPS細胞に高発現していたIGF-2に着目し、心筋分化誘導を行ったiPS細胞においてIGF-2陽性細胞を精製してより治療効果の高いiPSC-CPCを精製することを目的としている。当該年度では、前年度に引き続き(1)iPS細胞の心筋分化効率向上、(2)IGF-2 sorting後のiPSC-CPC培養系確立の2点を行った。(1)については研究開始時にはFACS AreaにおけるIGF-2陽性細胞の分取率が4~6%であったが、iPS細胞の分化誘導前の拡大培養方法を調整し、sortingにおけるIGF-2抗体の作用時間、作用濃度を最適化することによってIGF-2陽性細胞の分取率を50-60%まで大幅に向上させることに成功した。(2)についてはIGF-2陽性心筋細胞をsortingした後の拡大培養方法について(a)接着系培養、(b)EB浮遊系培養の各培養法での培養液中のサイトカイン、培養皿の接着基質等を検討した。接着系培養及びEB浮遊系培養単体では細胞増殖の効率が非常に低かったが、Sorting後初代細胞をEB浮遊系で培養し、第2継代目より接着系で培養することで精製したIGF-2陽性細胞の拡大培養法を確立しつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
IGF-2陽性iPSC-CPCの樹立方法は概ね確立されており、マウス心筋梗塞モデルへの移植実験が可能な段階に移行しつつあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
精製したIGF-2陽性心筋前駆細胞を動物モデルへ移植して治療効果を検討するために、細胞培養リアクターを導入してさらに効率的な拡大培養方法を検討中である。また、心筋梗塞モデルマウスに細胞移植して治療効果を検討する予定である。移植細胞は(1)精製後に拡大培養した細胞及び(2)精製前の細胞数をリアクターに用いて大量に増殖させた後に回収した精製後の初代培養細胞の二種類を検討している。
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Causes of Carryover |
経費削減努力による。
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