2019 Fiscal Year Research-status Report
IGF-2陽性iPS細胞由来心筋前駆細胞の樹立と 機能解析及び心筋移植効果の検討
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17K15981
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
青沼 達也 旭川医科大学, 医学部, 客員助教 (90646001)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | iPS細胞 / 心筋分化 / 心筋前駆細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度も本研究の目的であるIGF-2陽性CPCの樹立に向けて、(1)心筋分化効率の向上、(2) IGF-2 Sorting後のCPC培養系確立の2点を引き続き行った。(1)については心筋分化における至適サイトカイン濃度を検討する事で、安定して拍動心筋細胞の出現率が6~7%に改善している。また、心筋分化誘導後のIGF-2細胞の出現率についても昨年度は5~10%までの改善であったが、現在31±15%と初年度の10倍まで飛躍的に改善した。(2)についてIGF-2陽性心筋細胞をSortingした後の培養系について、サイトカインの調整、培養ディッシュの選定、接着培養系(collagen coat、gelatin coat)、sphere培養系(浮游系)について検討を行った。Sorting後のIGF-2陽性細胞は直接接着系培養を行っても細胞皿に付着増殖させることが困難であったため、まず96well浮游培養でsphere形成を行った。結果、7日間で形成されたsphereをcollagenの接着培養に供するとsphereが接着することで細胞が付着培養系に移行し、増殖することが確認された。一方、IGF-2陽性細胞はこのsphereのまま培養継続することで、FGF2刺激下で高率に拍動塊が出現し、iPS細胞の分化効率6%に比し、97.9%の分化効率が観察された。これらの細胞ではTbx5、Mef2Cの発現がiPS心筋分化細胞に比し10数倍に亢進しており、IGF2陽性細胞が心筋前駆細胞であることが確認された。現在、IGF2陽性心筋前駆細胞の拡大培養を接着系、リアクター型浮游回転培養系で検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
IGF-2陽性細胞の分取効率を高めるため、iPS細胞の心筋分化効率の改善を図ることで安定して高効率のIGF2細胞の分取を可能とした。またsortingされたIGF2陽性細胞のsphere培養系を確立し、IGF2陽性細胞が高効率に心筋分化可能である心筋前駆細胞であることを証明した。
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Strategy for Future Research Activity |
IGF2心筋前駆細胞の拡大培養系の確立が必要であり、現在引き続き検討を行う。大量培養系が確立された後、In vivoにおける心筋分化、移植効果を検証する予定である。
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Causes of Carryover |
当初予定していた旅費の出費が今年度も発生しなかったためである。大量培養系の確立に向けて培養機器、機材、培養液に充当する予定である。
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