2020 Fiscal Year Research-status Report
IGF-2陽性iPS細胞由来心筋前駆細胞の樹立と 機能解析及び心筋移植効果の検討
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17K15981
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
青沼 達也 旭川医科大学, 医学部, 客員助教 (90646001)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | iPS細胞 / 心筋分化 / 心筋前駆細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度も本研究の目的であるIGF-2陽性CPCの樹立に向けて、(1)心筋分化効率の向上、(2) IGF-2 Sorting後のCPC培養系確立の2点を引き続き行った。(1)について昨年度の成果でIGF2陽性心筋細胞のFACS sortingによる陽性率が向上したものの、心筋分化誘導効率が5%前後と十分でないことから陽性細胞の分取率が10%前後と安定せず、効率的に目的細胞を分取することが困難であった。IGF2陽性細胞の分取が本研究の律速段階であるため、改めて心筋分化誘導効率の向上を図る方針とした。心筋分化プロトコルを再検討し、培地、Wnt阻害剤の添加濃度等を大幅に変更した結果、前年までの拍動心筋細胞の出現率が6~7%から50~60%へと著しい改善を実現することができた。その結果、心筋分化誘導後のIGF-2細胞の分取率についても10%前後から、安定して30%前後が実現できるようになった。 (2)についてsphere培養系(浮游系)による増幅培養ついて引き続き検討を行った。Sorting後のIGF-2陽性細胞を96well浮游培養でsphere形成を行い、7日間で形成されたsphereをcollagen付着培養系に移行、増殖させたのち接着系、リアクター型浮游回転培養系で検討を行った。リアクターによる浮遊回転培養では、single cell及び再凝集させたsphere細胞塊を用いて増幅培養を試みた。しかし、いずれの条件においても維持培養はできるものの細胞数の増幅には至らず、IGF2陽性細胞はリアクター浮遊培養系で増殖培養は困難であることが判明した。現在、接着系培養での増幅に絞ってIGF2陽性心筋前駆細胞のクローン化を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
IGF-2陽性細胞の分取効率を改善する手法の安定化が困難であったため、心筋分化誘導法の再検証を行った。結果、誘導効率の向上を実現することでIGF2陽性の分取率の安定した高効率化が達成された。一方、sortingされたIGF2陽性細胞のsphere培養系を確立したが、リアクター培養系には移行できなかった。IGF2陽性細胞はリアクター浮遊培養には適しなかったことが判明したため、接着培養系での増幅培養、クローン化を目指している。
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Strategy for Future Research Activity |
IGF2心筋前駆細胞の拡大培養系の確立が必要であり、現在引き続き検討を行う。大量培養系が確立された後、In vivoにおける心筋分化、移植効果を検証する予定である
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Causes of Carryover |
当初予定していた旅費の出費が今年度も発生しなかったためである。大量培養系の確立に向けて培養機器、機材、培養液に充当する予定である。
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