2018 Fiscal Year Research-status Report
移植心冠動脈病変に関する光干渉断層計を用いた経時的評価
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17K16005
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
白記 達也 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (60784056)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 移植心冠動脈病変 / 冠動脈プラーク |
Outline of Annual Research Achievements |
心臓移植後の慢性期における移植心冠動脈病変(cardiac allograft vasculopathy, CAV)は遠隔期の死亡原因の一つとして臨床上問題である。心臓移植後のレシピエントにおけるCAVは免疫学的な反応によりび慢性に全周性の内膜肥厚し内腔が狭小化する病態とされているが詳細な機序は不明である。本研究はレシピエントの冠動脈を光干渉断層計(optical coherene tomography, OCT)および血管内超音波(intravascular ultrasound, IVUS)を用いて、経時的に観察しえた、40レシピエントを対象とし検討を行った。その結果(1)ドナー由来プラーク(移植後8週時点で観察しえたプラーク)では、OCTで分別しえた形態ごとに経時的な変化はことなること、(2)de novoプラーク(移植後8週時点でOCTでは観察しえないが、1年時点に新たに観察しえたプラーク)では、ドナー由来プラークに比較しプラークの増大率が有意に高いこと、がわかった。2017年度はOCTのみで検討を行っていたが、2018年はOCTと同時に施行していたIVUSのデータもあわせ再度検討を行った。若年であり、動脈硬化リスクが良くコントロールされた母集団にもかかわらず、約25%の症例でプラーク増大を認めていることがわかった。移植後の拒絶に関連した炎症がプラークの増大に関わっていることが示唆され、今後の検討課題が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
移植後8週と1年時点のOCTとIVUSによる経時的評価は登録解析は終えている。一方、研究計画の段階で非移植心冠動脈におけるOCTとIVUS所見との比較を検討していたが、有意狭窄を認めない冠動脈に対しOCTとIVUSを実施することが倫理的に問題があると判断しおこなわない方針とし、既報(冠動脈非責任病変に対しIVSU OCTを用い経時的に評価を行った研究)を参考に考察する方針とした。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)移植後8週、1年時点でのOCTとIVUSによる冠動脈プラークの経時的評価に加え、今後さらに病態解明を目的として、バイオマーカを網羅的探索し、その結果を論文発表行う予定である。(2)移植後1年以降のデータについても蓄積できており、長期的変化についても今後まとめる予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由として、(1)OCT購入を予定していたが、所属機関の研究費で賄うことができたため、当初予定していたより購入本数少なく済んだこと、(2)海外学会へ参加を予定していたが不参加であったこと、である。追加研究として予定している網羅的にバイオマーカーを探索するための研究費用に、(1)の経費を使用予定である。また海外学会に参加し、論文発表準備をすすめる予定である。
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Research Products
(4 results)