2017 Fiscal Year Research-status Report
心臓CTを用いた心室内腔および血管内プラーク表面凹凸の臨床応用に関する検討
Project/Area Number |
17K16007
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
高谷 陽一 岡山大学, 大学病院, 助教 (10794290)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | プラーク / 心臓CT / 急性冠症候群 / 虚血性心疾患 / 動脈硬化 |
Outline of Annual Research Achievements |
心筋梗塞では心内膜側心筋の壊死により、筋束や肉柱が減少し心内膜表面が平滑化するため、心室内腔の表面凹凸は病変の重症度の評価に重要と考えられる。また急性冠症候群はプラーク破綻によって生じるため、プラークの表面凹凸の評価は不安定プラークを特定するうえで重要と考えられる。しかし、これまで非侵襲的に心内膜や血管内プラークの表面凹凸を評価する方法はない。本研究は、心臓CTを用いて心室内腔や血管内プラークの表面凹凸を自動解析により定量評価し、臨床的有用性を検討することである。新しいアプローチである表面凹凸を定量化することで、心筋梗塞の重症度や心筋viability、不安定プラークの指標になり得る可能性があり、治療戦略を検討するうえで臨床的に意義があると考えられる。 平成29年度、心臓CTを用いて心室内腔の表面凹凸を自動解析するアルゴリズムを、大動脈プラークに応用して、血管内プラークの表面凹凸を自動的に定量化することを臨床的に実現した。なお、心室内腔の表面凹凸は、心臓が3次元であることや心臓CTで十分な解像度を得ることできないなど、現時点では技術面で評価困難であり、差異を検討するまでに至っていない。 今後、自動解析により定量化された大動脈プラークの表面凹凸が、不安定プラークの指標になる得る可能性について、急性冠症候群例、安定狭心症例、正常例などと比較し検討を進めている。また、冠動脈プラークの表面凹凸の評価に関しても、自動的に定量化できるよう、研究を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初に計画していた心室内腔の表面凹凸の評価は、3次元の問題や心臓CTの解像度の問題などで現時点では評価することが実現できていない。そのため、心室内腔の表面凹凸を用いた臨床的有用性については検討できていない。しかし、表面凹凸を自動解析で定量化するアルゴリズムは確立することができ、その技術を大動脈プラークに応用し血管内プラークの表面凹凸を評価することを実現している。
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Strategy for Future Research Activity |
心室内腔の表面凹凸は現時点では評価することができず、心室内腔の表面凹凸の有用性の検討は実現できていない。 しかし、表面凹凸を自動解析で定量化するアルゴリズムは確立することができ、その技術を大動脈プラークに応用し血管内プラークの表面凹凸を評価することは実現できている。今後、大動脈プラークの表面凹凸を、急性冠症候群例、安定狭心症例、正常例で比較し、プラークの表面凹凸が新たな不安定プラークの指標になり得る可能性について検討を進める。また冠動脈プラークにおいても表面凹凸の評価が可能か検討を進める。
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Causes of Carryover |
初年度予定していた画像解析用のパソコン、ソフトウェアは現有のもので代用ができたため購入しなかった。次年度、画像解析用のパソコン、ソフトウェア等の購入に当てる予定である。
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