2018 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of coronary blood flow using fluid dynamics and experimental method
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17K16009
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
清家 史靖 愛媛大学, 医学部附属病院, 医員 (10771561)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | FFR / OCT / IVUS / 流体力学 / ステント |
Outline of Annual Research Achievements |
虚血性心疾患の治療に際し、冠血流予備量比(FFR)による治療方針決定の有用性が確立されている。しかし、冠動脈内イメージングデバイス(血管内超音波検査:IVUSおよび光干渉断層法:OCT)で得られた冠動脈の解剖学的情報を用いてFFRを計算する報告は国内外を問わず極めて少ない。そこで申請者は,解剖学的情報を用い、流体力学理論に基づいてFFRを推定する新たなアルゴリズムをすでに作成した。本申請では、(1)当該アルゴリズムを用いた解剖学的情報によるFFR解析、(2)数値流体解析ソフトウェアを用いた血流の解析、(3)ステントを留置した際の冠動脈内の血液の流れの評価を行う体外実験を実施している。 (1)に関しては、The American Journal of Cardiology (Am J Cardiol. 2017;120:1772-1779 )に、Circulation Journal (Circ J. 2018;82:815-823)にIVUSを有用性を報告し、日本全国に置いて解剖学的指標から虚血を診断する有用性の講演を行っている。 (2)に関しては、Medical Engineering & Physicsに投稿を行っており、さらに病変の特徴と圧損失の新たな関係に関する研究を進めている。現在、国内大学病院複数施設とともに、冠動脈の形態と急性冠症候群の発生の機序に関して検討中である。 (3)に関しては、現在も実験を進めている。ステントの不完全拡張は術後の心筋梗塞のリスクと知られているが、実際に冠動脈の流れがどのようになっているかは知られていない。そこで、申請者らはステント不完全拡張モデルを体外実験にて作成し、粒子にレーザーを行うことで冠動脈内の血液の流れを再現することに成功しており、2019年に論文として投稿予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
我々の研究は主に以下の三点にまとめられる。 (1)当該アルゴリズムを用いた解剖学的情報によるFFR解析、(2)数値流体解析ソフトウェアを用いた血流の解析、(3)ステントを留置した際の冠動脈内の血液の流れの評価を実施。 (1)に関しては、The American Journal of Cardiology (Am J Cardiol. 2017;120:1772-1779 )にOCTを用いた虚血診断の有用性を、Circulation Journal (Circ J. 2018;82:815-823)にIVUSを用いた虚血診断の有用性を報告し、日本全国に置いて解剖学的指標から虚血を診断する有用性に関しての講演を行っている。さらにはこれらの有用性をさらに調査するため、申請者が代表研究責任者として、多施設共同研究を全国の大学及び医療施設と共に開始しており、2019年に報告する。 (2)に関してもすでに、研究を終え、米国心臓病学会(国際会議)において発表をしており、Medical Engineering & Physicsに投稿を行っており、さらに病変の特徴と圧損失の新たな関係に関する研究を進めている。また、国内の複数大学病院と共同研究を開始している。(3)に関しても、実験に成功しており、流れの発達とFFRの関係を明らかにしていっている。従って、国際一流誌に3報採択され、現在さらに1報を投稿しており、心筋虚血診断の新たな方法を世界に先駆けて報告出来ており、当初の計画以上に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)当該アルゴリズムを用いた解剖学的情報によるFFR解析、(2)数値流体解析ソフトウェアを用いた血流の解析、(3)ステントを留置した際の冠動脈内の血液の流れの評価を実施。 (1)に関しては、現在他施設共同試験の最終解析中であり、2019年に多数の症例においてのアルゴリズムの精度を投稿する。 (2)に関しては、現在国内の複数大学病院と共同研究を開始しており、冠動脈の特徴的な形態と心筋梗塞の発症に関して数値流体力学を用いた解析を開始しており、その研究を進める。 (3)に関しても、実験に成功しており、今後さらに追加実験を行い、2019年に論文を投稿予定である。
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Causes of Carryover |
次年度に高機能ワークステーションを用いた数値流体解析を行う予定としており、ワークステーションを次年度に購入することとしている。
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