2017 Fiscal Year Research-status Report
腎不全合併圧負荷心不全モデルの腎交感神経への治療介入が中枢性循環調節へ与える影響
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17K16010
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
西原 正章 九州大学, 大学病院, 助教 (70641017)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 慢性腎臓病 / 心不全 / 腎除神経術 / 中枢性交感神経調節 |
Outline of Annual Research Achievements |
心不全における重症度と予後に交感神経系の活性化が深く関与しており、心不全に慢性腎臓病(chronic kidney disease; CKD)を合併すると極めて予後不良となる。 近年、腎除神経術(renal denervation; RDN)が交感神経系の活性化を背景に有する様々な病態において有効であることが示され臨床応用されている。申請者は最近CKD 合併高血圧に対するRDN が脳内の調節異常へ影響を及ぼし中枢性交感神経活性の抑制効果をもたらすことを見出した。更にRDN がCKD を合併した心不全モデルの中枢神経調節系へ影響を与え、心不全の病態及び予後改善効果を与えうるかを検証することとした。 今回我々はCKD合併心不全モデルを作成するにあたり、まずCKDモデルの作成目的に5/6腎摘出術を施行した。この術式により血圧の上昇反応、尿中アルブミン排泄量の増加、交感神経活動の活性化、及び腎機能の低下が確認できた。 続いて心不全モデルとして腹部大動脈結紮による圧負荷心不全モデルの作成に努めた。当手技を安定して施すには更なる手技の修練が必要な段階である。 更には5/6腎摘出術を施し作成したCKDモデルに対し腹部大動脈結紮術を施行してCKD合併心不全モデルの作成に努めている。モデル作成手技の安定した修得、及びこのモデルがどの様な病態を呈するかは現在まだ検証中である。今後更なるデータ収集を続け解析を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
・圧負荷心不全モデル作成にあたっての腹部大動脈結紮術の’安定した’手技修得に更なる時間を要する。 ・5/6腎摘出モデルへの腹部大動脈結紮術の施行により個体により病態に差が出ることがあり、今後手技の安定化、及びデータ解析に更なる症例の追加が必要な段階である。 ・慢性経過の観察実験であり実験の推進に時間を要する。
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Strategy for Future Research Activity |
・腹部大動脈結紮術の手技安定化 ・CKDモデル動物に対する腹部大動脈結紮術の安定化、及びそのモデルの病態解明を更に進める ・平成30年度中にCKD合併心不全モデルへのRDNを施行し、その病態へ与える影響を観察する。
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Causes of Carryover |
・研究が当初の予定より遅れており、購入予定であるテレメトリー送信機等の機器購入に至っていない。 ・平成30年度は更に研究を推進し、当初計画していたテレメトリー送信機等の機器も購入予定である。 ・それらを応用した研究を推進していく予定である。
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Research Products
(2 results)