2019 Fiscal Year Research-status Report
頸動脈粥状硬化巣におけるリンパ管新生/血管新生アンバランスとPCSK9との関連
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17K16013
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
立石 洋平 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (30412167)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 頸動脈プラーク / リンパ管 / 新生血管 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで3例の頸動脈プラークの検討を行っている。最も狭窄度が強いところで、新生血管とリンパ管新生の数を全て数えると、新生血管が明らかに多く、その比が1.5から2.0であった。動脈硬化プラークは血管断面で偏心性に病変が出現する。再狭窄部でプラークが厚いところからそうでない部分に移行する部位ではその比が2.0から3.0に上昇することがわかった。一方で同一患者の狭窄度が強くないところ、つまり、再狭窄部より近位か遠位部では、リンパ管のほうが目立ち、新生血管とリンパ管新生の比は、断面全て数えると、0.05から0.3であった。狭窄部が強くない断面で、プラークが最も厚い部分からそうでない部分に移行する部位では0.15から0.6であった。プラーク増生に新生血管の発達とリンパ管の消退もしくは減少が関与しているのかもしれない。 免疫染色を追加するため抗体を購入した(D2-40で染色したリンパ管の検証をするための抗LYVE-1染色、M1型マクロファージを染色するための抗CD163抗体、HIF-1アルファ)。追加検討の2例を含め、染色を行っており、その結果を待っている。 研究結果は新規性があると判断し、論文作成を始めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
特殊免疫染色は日常臨床業務以外で行っているため、時間を割くことが困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
頸動脈プラークで新生血管とリンパ管新生のアンバランスがありそうであることは見通しがついたと判断している。追加した2例を含め、リンパ管新生の検証をLYVE-1で行い、さらに、新生血管とリンパ管新生のアンバランスが起こる機序を探るために、関与が疑われるM1型マクロファージ、HIF-1αの染色、解析に取り組む予定である。
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Causes of Carryover |
免疫染色をするための抗体は購入したが、その解析に時間がかかり、追加の検討や、学会発表、並びに論文作成に至っていないため。実施予定であった学会発表、論文作成、発表を次年度に実施するため、旅費、論文作成のための英文校正に使用予定である。
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