2020 Fiscal Year Research-status Report
頸動脈粥状硬化巣におけるリンパ管新生/血管新生アンバランスとPCSK9との関連
Project/Area Number |
17K16013
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
立石 洋平 長崎大学, 病院(医学系), 講師 (30412167)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 頸動脈プラーク |
Outline of Annual Research Achievements |
頸動脈動脈硬化病変内で最も狭窄した部分では新生血管が多くみられるが、狭窄度が軽度の部分では新生血管は少なく、リンパ管優位であることを3例で示した。さらに2例の病理学的検討を行い、同じ結果が得られた。研究協力者である病理学専門医と、最も狭窄が強い部分とそうでない部分で新生血管の数が違う理由を病理学的検討で明らかにできないか協議し、その誘引は低酸素であることを予想した。低酸素により出現するHIF-1αの存在を確認するために、免疫染色を追加した。また、HIF-1αを誘導するM1型マクロファージがM2型マクロファージより多かどうかを調べるためにそれぞれのマーカーであるCD80とCD163での免疫染色を行った。さらにリンパ管マーカーであるD2-40陽性の結果を、正しい所見か確認するために同様にリンパ管マーカーであるLYVE-1染色を追加した。これらの作業を5例で確認することが今後の目標である。その後に、学会発表、論文発表を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナウイルス感染症による影響と病理学教室の組織改変のため通常の病理業務が優先された。そのため研究業務が後回しになり、本研究のための免疫染色も遅れた。その結果、その評価を行うことができなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまで病理学的検討を行った3例の結果(狭窄が軽度の部分ではリンパ管が多く、新生血管が少ない。最狭窄部での新生血管が多数出現している)を証明するため、頸動脈内膜剥離術により得られたプラークの病理学的検討を行う追加の2例の準備ができた。5例で免疫染色を行い、リンパ管と新生血管、マクロファージの出現を評価する。これまでの研究結果を取りまとめ、学会発表、論文投稿を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
一部の免疫染色(CD68, CD31, D2-40)は既存の抗体を使うことができたため購入が不要であった。また、免疫染色が終了していないため、実施予定であった学会発表や論文作成はできていない。その結果、それらに関わる費用の支出がなかったため次年度へ持ち越すことになった。次年度には組織像をスライドスキャナーで取り込む予定である。その際に、大量のデータになるので、保存用のディスクを購入する。またスライドスキャナーの使用料が必要である。学会発表と論文を作成するため、すでに準備を始めている。学会旅費、英文校正、採択された際の費用をまかなう予定である。
|