2021 Fiscal Year Research-status Report
頸動脈粥状硬化巣におけるリンパ管新生/血管新生アンバランスとPCSK9との関連
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17K16013
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
立石 洋平 長崎大学, 病院(医学系), 講師 (30412167)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 頸動脈プラーク |
Outline of Annual Research Achievements |
頸動脈プラークの進展に、プラーク内リンパ管新生と新生血管のアンバランスが関与している可能性を想定し、頸動脈内膜剥離術を施行した患者の動脈硬化プラークを使って病理学的に検討した。プラークが大きくない断面とプラークが最も大きい断面でリンパ管と新生血管の数を4症例で数えた。プラークが大きくない断面では、それぞれの症例でのリンパ管/新生血管の比 (Lymphatic vessel/Neovessel: LV/NV)は28/2 (14.00)、 8/2 (4.00)、27/4 (6.75)、48/1 (48.00)であった。一方、プラークが最も大きい断面では、30/42 (0.71)、10/18 (0.56)、66/29 (2.28)、8/33 (0.24)であり、相対的に新生血管優位になっていた。プラークが大きくない部分ではリンパ管新生が見られるが、新生血管はあまり見られない。プラークが大きくなると新生血管が増生して、新生血管優位になる。このプラークの大きさによるリンパ管と新生血管の数の違いについてはこれまで検討されてはいない。プラーク内で、新生血管からマクロファージやコレステロールが供給されるが、これらを排出するリンパ管が相対的に少なくなることによりプラークの増大が起こると推察された。少数例であるが、新しい知見であるため、論文化することとした。現在、論文作成中である。また同時に学会発表も行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
病理学的検討で指導をしていただいていた担当者が当院を退職したため、病理学的な検討や評価が進まなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、病理学的検討は少数例ではあるが終了している。鋭意、論文作成と学会発表の準備を行っており、次年度内の完成を予定している。
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Causes of Carryover |
病理学的サポートを提供していた担当者が他の施設へ移動したため、学会発表、論文作成に遅延が起こったことにより次年度使用が生じた。次年度に学会発表や論文作成の予定であり、その費用に次年度使用を充てる予定である。
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