2017 Fiscal Year Research-status Report
SCN5A-Nedd4-2系の電気的リモデリングに関する病態解明
Project/Area Number |
17K16019
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
峯岸 慎太郎 横浜市立大学, 医学研究科, 客員研究員 (80458398)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 循環器・高血圧 / Nedd4-2 / 心臓イオンチャンネル |
Outline of Annual Research Achievements |
我々のこれまでの実験で、C2 domainを有するNedd4L/Nedd4-2の機能低下が食塩感受性高血圧の発症に関わることを証明した。SCN5A遺伝子は、Nedd4-2による翻訳後修飾によって発現が制御されており、心臓の電気的特性を決定付ける重要遺伝子であり、致死的不整脈の発症に強く関与している。高血圧は代表的な生活習慣病であり、致死的・非致死的な心血管合併症発症のリスクとなるため、心臓におけるSCN5A-Nedd4-2系の役割を解明することで、高血圧症・食塩感受性の予後改善につながることが期待される。本研究では、遺伝子改変動物を用いて、SCN5A-Nedd4-2系の、心臓における電気的リモデリングについて、分子病態生理の解明を目指す。 平成29年度は、Nedd4-2 C2ドメインKOマウスの電気生理学的表現型を評価するため、生理モデル(安静時)と心筋梗塞モデルを用いた検討を行った。安静時モデルの心電図波形において、KOはWTと比較してQT延長、QRS延長、PR短縮を認め、KOはWTと比べて明らかな除脈を呈した。Heart Rate Variability解析にてKOはWTよりLF/HFが上昇し、交感神経の活発が亢進していることが確認できた。また、KOはWTよりも尿中のカテコラミン分画の濃度が上昇していた。心筋梗塞モデルでは、KOにおいてTpeak/Tend間隔開大を認めた。 心臓の生理学的表現型を調べたが、形態的差は認めなかったにも関わらず、心電図変化が認められたことから、刺激伝導系におけるイオンチャネルの膜発現増加によりNedd4-2 C2 KOの効果が現れていると予測された。 平成30年度は、心房細動モデルでの検討を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
経過どおり、生理モデル(安静時)と心筋梗塞モデルについては実験が遂行できており、C2ドメインを有するNedd4-2が、腎臓および心臓機能にとって重要なENaCおよび心臓イオンチャネルの両方の転写後修飾を介して心腎症候群において重要な役割を果たす可能性があることを示唆した。
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Strategy for Future Research Activity |
心房細動モデルでの検討を引き続き行い、Nedd4-2 C2 isoform欠損によるイオンチャネルの翻訳後修飾の異常が致死的不整脈の発症に関与するか検討していく。
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Causes of Carryover |
予定より順調に進んでいるが、テレメトリー実験は一度に使用できるマウスに制限があるため、次年度にまたがることになり、一部持ち越しとなっている。平成30年度には、テレメトリー実験を完遂させ、経食道内バーストペーシングによる心房細動の誘導実験を行い、野生型とNedd4-2 C2 ノックアウトマウスの心房細動持続時間の違いを調べる。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] An Isoform of Nedd4-2 Plays a Pivotal Role in Electrophysiological Cardiac Abnormalities.2017
Author(s)
Minegishi S, Ishigami T, Kawamura H, Kino T, Chen L, Nakashima-Sasaki R, Doi H, Azushima K, Wakui H, Chiba Y, Tamura K.
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Journal Title
Int J Mol Sci.
Volume: 18
Pages: 1268
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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