2019 Fiscal Year Research-status Report
Inflammatory単球サブセットの動脈硬化との関連生
Project/Area Number |
17K16021
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
柏木 学 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (70453181)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 単球 / サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト末梢血単球サブセットと冠動脈イベントの関連性の検討を行った。今回、安定狭心症が疑われ冠動脈造影検査が施行された合計271名を対象とした。結果的に有意狭窄を認めず薬物療法での経過観察となった136名を薬物療法群とした。冠動脈造影検査時に単球サブセットの測定を施行した。平均追跡期間は1416日であり、CD14陽性CD16陽性単球の割合は、冠動脈イベントを発症した群で有意な上昇を認めたが、初回冠動脈造影時に冠血行再建の方針となった群とは有意差を認めなかった。CD14陽性CD16陽性単球の上昇が、将来的な冠動脈イベントとの関連が示唆された。また初回冠動脈造影時に血行再建を回避可能であっても、CD14陽性CD16陽性単球が高値の患者群においては将来イベントを発症することが判明した。 上記研究結果についてCirculation Journal誌にて発表を行った。 上記に加え、ヒト末梢血単球サブセットとインターロイキン34の関連について各冠動脈疾患にて検討を行った。インターロイキン34については、急性心筋梗塞を有する患者において、安定狭心症や不安定狭心症と比較して高値を認めた。単球サブセットに関しては、急性心筋梗塞群においてCD14陽性CD16陰性サブセットの上昇を認めた。その上昇に関して心筋梗塞発症早期においては、低値であり、4時間を境に上昇していることが判明した。またCD14陽性CD16陰性単球の上昇とインターロイキン34の上昇は相関しており、両者が心筋梗塞発症後の過程において連関していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた、単球、マクロファージのサブセットの関連性が証明されず、その後研究計画の変更を行い単球サブセットと冠動脈イベントの関連性や、炎症性サイトカインについて検討を行った。結果をCIrculation Journal誌において発表を行った。現在はインターロイキン34と単球サブセットに着目し、研究を行っているが、関連については検討を行えたが、詳細な機序解明には至っておらず、さらなる追加実験、試料の採取等が必要であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト末梢血単球サブセットとインターロイキン34の関連について急性心筋梗塞において示唆された。しかしながら、現時点では急性心筋梗塞発症機序に関連するのか、急性心筋梗塞後における心筋救済に関与するかは不明である。 マウスを用いた心筋梗塞モデルを作成することで、インターロイキン34のメカニズムを解明する方針である。またCX3CR1ノックアウトマウスや、CCR2ノックアウトマウスを使用することで、単球との関連について研究を行う予定である。 ヒトにおいては、急性心筋梗塞患者において、日内変動や急性期におけつ変動、ピーク値の検討を行う。またそれら得られたデータと将来的な予後、心不全、心筋サルベージなどについて検討する。
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Causes of Carryover |
急性心筋梗塞におけるインターロイキン34と単球サブセットの新しい知見をえることができたが、現時点では詳細なメカニズム解明には至っていない。今後さらなるマウスモデルにおける検討や、急性心筋梗塞患者において詳細な検討を行う必要がある。本年度のみでは時間的制約があり困難であり、次年度に持ち越しとした。
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Research Products
(2 results)