2017 Fiscal Year Research-status Report
特発性肺線維症急性増悪および薬剤性肺障害におけるMUC4の分子生物学的機序の解明
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17K16036
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
椎原 淳 自治医科大学, 医学部, 助教 (20737241)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | MUC4変異解析 / MUC4塩基配列決定 |
Outline of Annual Research Achievements |
EGFR-TKIによる薬剤性肺障害および特発性肺線維症急性増悪の原因遺伝子と考えているMUC4における、exon2のVariable number of tandem repeat(VNTR)の解析を行う上で、southern blottingによる解析を行った。その結果EGFR-TKIによる薬剤性肺障害および特発性肺線維症急性増悪を疾患群とした合計6例において、健常日本人と比較して有意にシークエンスを決定するにあたり有意にVNTRが疾患群において長いことが明らかになった。 また、MUC4のVNTRの塩基配列を決定すべく研究を続けているが、現在MUC4のVNTR配列を断片化し、それらを次世代シークエンサーに読み込ませてAssembleすることで配列の決定を行っているところである。この塩基配列を確定する作業が確立し、塩基配列決定を安定的に行うことができるようになれば、EGFR-TKIによる薬剤性肺障害および特発性肺線維症急性増悪症例のMUC4 exon2において多く見られる配列を決定することができる。当初次世代シークエンサーを用いて検出された3塩基の挿入変異が実際に正しいかを検証することができる。 しかしsouthern blotingで疾患群でVNTRの長さが長いこと、および塩基配列が確定した場合も、それらの病態における意義を明らかにするためには機能解析を行わなければならない。上皮細胞にEGFR-TKIを投与しその変化を観察するような機能解析研究は、今後行っていくべき研究課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
基礎研究を行う十分な時間を確保することができず、遅れが生じている。 また塩基配列決定を行う作業も、他施設におけるシークエンサーを用いた解析を当初予定していたが、そちらを用いた解析が上手く行かないことが判明した。このため、断片化を行った後、大腸菌を用いて大量にクローニングして塩基配列決定、という作業を以前行っていたが、そちらに立ち返り、大腸菌を用いるのではなく次世代シークエンサーを用いた塩基配列決定に方針を変更している。
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Strategy for Future Research Activity |
MUC4のVNTR配列が次世代シークエンサーで解析できるようにPCR、断片化、などを行い塩基配列をランダムに読み込む。それら読み込んだ配列をコンピューター上でassembleし、VNTR全体の配列の決定を行う。 一連の配列決定の流れが確実に行えるようになったら、複数の患者検体、複数の健常日本人検体を解析を行い、関連解析を行うことによって二群間で配列に差があることを証明していく。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、実験を行う時間が十分確保できず、研究に遅れが生じているため、それに伴う物品の購入が少なかったためである。 次年度は次世代シークエンサーを用いた配列決定が行われれば、大量の検体を処理する可能性があり、試薬も必要になるため、繰り越し金額も合わせて試薬の購入に充てる予定である。
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