2017 Fiscal Year Research-status Report
EGFR(上皮成長因子受容体)遺伝子変異陽性肺癌における遺伝学的機序の解明
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17K16037
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
東出 直樹 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 非常勤講師 (00732223)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | EGFR遺伝子変異 / 肺癌 / エクソンシークエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
EGFR遺伝子変異陽性肺癌は、①腺癌、②アジア系人種、③女性、④非喫煙者といった臨床背景をもつ患者に高頻度で生じていることが知られている。近年の分子遺伝学の進歩に伴い、肺癌に関連した体細胞変異が数多く同定されてきているが、KRAS遺伝子変異やEML4-ALK遺伝子変異などの他の体細胞変異に比べて、EGFR遺伝子変異陽性の肺癌患者は2倍以上の肺癌家族歴を有するとした報告もある。EGFR遺伝子変異陽性肺癌がこのように明らかな「人種差」、「性差」そして「家族歴」を有することは、その発生母地に比較的effect sizeの大きな何らかの遺伝学的素因があること、そしてそれは体細胞変異ではなく家族間に遺伝しうる生殖細胞レベルの遺伝子変異である可能性を示唆している。本研究では、EGFR遺伝子変異陽性肺癌の発生する遺伝学的機序を明らかにすることを目的とする。 次世代シークエンサー(Hiseq2000 システム,Illumina社)を使用して、EGFR遺伝子変異陽性肺癌が集積している3家系の患者8人、家系内未発症者4人および健常者2人の計14名のエクソーム解析が現在進行中である。SureSelect Human All Exon 51 Mbキット(Agilent社)を用いて,抽出した末梢血DNAからエクソン部分のみを捕捉・濃縮して,Hiseq2000により生成された約100塩基長のペアリードをヒトゲノムの参照配列 (UCSChg19)にマッピングして、ヒト全エクソンの99.86%(総塩基長51 Mb)の解析を行った。 また、EGFR遺伝子変異陽性肺癌の家族例だけでなく孤発例の検体収集も並行して行い、約400例の末梢血DNAの抽出も終了している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、2家系の患者6名を用いてエクソンシークエンスを行う予定であった。しかし、新たに姉弟での家族例の検体が同定されたため、その家族検体の収集を待って遺伝子解析を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
①家族内集積症例のエクソーム解析のデータ解析として、遺伝子機能に変化を与える変異(ミスセンス、ナンセンス、スプライス異常、挿入欠失)の中から,dbSNPと1000 Genomes Projectで既知の変異を除外し、それぞれの肺癌集積家系内に共通するが家系内未発症者4例には認められない変異を探し出す。 ②EGFR遺伝子変異陽性肺癌の孤発例を集め,一塩基多型と構造多型を基に,疾患に関連する遺伝子領域を絞り込む。 ③上記の解析から同定された遺伝子Aの変異cDNAを発現するベクターを構築し,ヒト肺癌細胞株へ遺伝子導入し,EGFRシグナルへの影響をウエスタンブロットで評価する。
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Causes of Carryover |
今年度はデータの解析を主軸に行い 試薬やプラスチック器具類の消耗品も計画的に使用できたため、次年度使用額が生じた。 エクソームシークエンスを進めるとともに、同定された遺伝子に対してウェスタンブロットをはじめ機能解析を行っていく予定である。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Exome sequencing deciphers a germline MET mutation in familial epidermal growth factor receptor-mutant lung cancer2017
Author(s)
21.Tode N, Kikuchi T, Sakakibara T, Hirano T, Inoue A, Ohkouchi S, Tamada T, Okazaki T, Koarai A, Sugiura H, Niihori T, Aoki Y, Nakayama K, Matsumoto K, Matsubara Y, Yamamoto M, Watanabe A, Nukiwa T, Ichinose M
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Journal Title
Cancer Sci.
Volume: 108
Pages: 1263-1270
DOI
Peer Reviewed / Open Access