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2017 Fiscal Year Research-status Report

末梢肺上皮幹細胞の基礎的研究

Research Project

Project/Area Number 17K16053
Research InstitutionSapporo Medical University

Principal Investigator

田中 悠祐  札幌医科大学, 医学部, 研究員 (70792125)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2019-03-31
Keywordsヒト末梢肺上皮幹細胞 / distal airway stem cell
Outline of Annual Research Achievements

マウスでは2型肺胞上皮には発現しないp63とkeratin 5 (Krt5)を発現する肺上皮幹細胞の存在(distal airway stem cell, DASC)が報告されている.ヒトに同様の細胞が存在するか否かは不明であるが,我々の研究室で培養しているヒト末梢肺組織由来のHuman Lung (HuL)細胞はp63(+)/KRT5(+)/TTF-1(+)の表現型を示しており,HuL細胞が末梢肺上皮幹細胞であると推定している.本研究では3次元培養系やマウス肺への移植実験を通じてHuL細胞が線毛上皮や肺胞上皮へ分化しうること(=末梢肺上皮幹細胞であること)を証明し,将来的に呼吸器領域に細胞治療を導入することを目指している.
平成29年度の研究実施計画である,“HuL細胞の多分化能を有することを明確に示す”ことは順調に推移している.現在までにMatrigelを使用した3次元培養系を導入し,サイトカインや小分子化合物を添加することによってHuL細胞を肺胞上皮や基底細胞以外の細気管支上皮に分化させる培養系の確立に成功している.またHuL細胞(の特徴的な表現型)が培養系により“誘導”されたものではなく,生理的に肺内に存在する細胞が“選択”され,増殖してきたものであることも人肺組織切片を用いて免疫蛍光二重染色を実施し確認できている.これらの結果はHuL細胞がヒトにおけるDASCであることを支持している.
末梢肺組織には2型肺胞上皮,Club cellsやbronchioalveolar stem cellなど複数の上皮幹細胞・前駆細胞が報告されてきたが,その研究成果は基本的にマウスから得られたものであり,ヒトの肺組織や肺由来上皮細胞を詳細に解析した報告は我々の知る限り殆ど無い.肺の難病において細胞治療の実施を目指すには、HuL細胞のようなヒトにおける末梢肺上皮幹細胞の解析が必須である.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

平成29年度の研究実施計画である,“当研究室で培養しているHuL細胞の多分化能を有することを明確に示す”ことは順調に推移している.現在までにMatrigelを使用した3次元培養系を導入し,サイトカインや小分子化合物を添加することによってHuL細胞を肺胞上皮や基底細胞以外の細気管支上皮に分化させる培養系の確立に成功している.またHuL細胞(の特徴的な表現型)が培養系により“誘導”されたものではなく,生理的に肺内に存在する細胞が“選択”され,増殖してきたものであることも人肺組織切片を用いて免疫蛍光二重染色を実施し確認できている.当初計画より順調に推移したため,助成金前倒し支払い申請を行い,平成30年度に予定していたマウスモデルを使用した実験予定を繰り上げて既に開始している.

Strategy for Future Research Activity

平成29年度に引き続いて,HuL細胞がマウス肺に生着しその場の環境nicheに応じて分化することを証明することを目指す.具体的には超免疫不全マウスを使用し,細気管支から肺胞領域の上皮をbleomycinで傷害し,剥離させ,後にHuL細胞を経気道的(あるいは経尾静脈的)に移植する.HuL細胞の少なくとも一部がマウスの細気管支から肺胞領域(niche)に生着し,後に同部で適切な上皮に分化すると想定される.マウス肺内のHuL細胞の存在は,ヒト特異的な抗ミトコンドリア抗体等を使用した免疫染色で容易に同定可能である.肺胞上皮に分化したかは蛋白発現を免疫組織化学的に評価する.

Causes of Carryover

研究が予想以上に順調に進展したため,120万円と若干のゆとりをもって前倒し請求をさせていただいたが年度内に全ては使用せず40万円弱の残金がある.この残額と平成30年度請求分40万円は今年度中に研究遂行上必要な試薬の購入,論文掲載料などに使用させて頂く予定である.

  • Research Products

    (1 results)

All 2017

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 末梢肺上皮幹細胞の基礎的研究2017

    • Author(s)
      田中悠祐,角俊行,山口美樹,平井幸恵,渡辺敦,高橋弘毅,佐久間裕司
    • Organizer
      第53回日本サーファクタント関連(界面)医学会

URL: 

Published: 2018-12-17  

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